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Aside


麻『・・・大丈夫』



立ちあがろうとした麻友ちゃんが、ふらりと後ろに倒れ込んだ



「っ、!麻友ちゃっ____」



私は咄嗟に手を出した



有『大丈夫か!?麻友!』


「っ、、」



しかし、そんな私の手を押し除けるように、隼人くんが麻友ちゃんを抱き止めた


久しぶりに見た...

動揺して心もち青ざめている隼人くんを



隼人くんは慣れた仕草で麻友ちゃんを抱き上げた


胸がチクっとする



有『休憩所まで運んでく。A、荷物頼む』


「あ、うん」


長『俺、麻友の家に電話しとくわ』



麻友ちゃんは目を閉じ、隼人くんの首にギュッとしがみついた



病人の親友にモヤモヤするなんて、私、最低すぎる・・・


こんな気持ち早く消したくて、目を逸らそうとすると



「・・・っ、!」



私はハッとした


麻友ちゃんの長い髪が流れて、露わになった耳の後ろ


あの傷痕が視界に入ってしまった





休憩所の座布団をマット代わりにして敷き、麻友ちゃんを寝かせてブランケットをかける



「麻友ちゃん、大丈夫?」


麻『ただの貧血、薬も持ってるから・・・』



か細く返ってきた


こんなに辛い思いをしてるのに、ただそばで声をかけることしかできない自分に嫌気がさす


いつも、私は麻友ちゃんに何もしてあげれなくて

中学の頃からずっと、麻友ちゃんを近くで支えてるのは隼人くんだった

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作者名:こばと | 作成日時:2022年11月10日 17時

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