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剣持side





しばらくボーッとして、覚めてきた目を擦って階段を下る

吸血鬼がいるであろう台所を探して見回すと、一筋太陽の光が入っている窓の先にラドに庇われて座り込む吸血鬼が居た


「……どうかしたんですか?」


「ぅあっ、ビックリした

別に何も無いよ」


吸血鬼の腕には明らかに変色した膿のようなものが着いていて

吸血鬼特有の色味のない肌にはパッと目立っていた

太陽に触れると吸血鬼は身体に異常をきたすと聞いた

大方窓から漏れ出た光に気づかず腕が触れてしまっまたんだろう


「窓、閉めますね」


「……ありがとな」


「貴方の回復魔法って自分にも使えるんですか?」


「そりゃ使えるさ、普通は…

ただ、私は頭が悪いからな

理由が理由で効率悪く他人を癒す方法ばかり勉強してしまって

今更勉強するのも面倒だし

だから自分への使い方知らないんだよな」


「……馬鹿」


「分かっとるわ阿呆」


紫色と緑の混ざったあまりにも気持ちの悪い色が腕を埋めつくしている

普通の人間の見るべきものでは無い


「……はぁ

手貸してください」


「いや、気色が悪いから見ない方がいいぞ」


「僕は貴方より効率のいい方法で正しい治癒の魔法を学校で学びましたから」


「私の事すごい貶してるな、傷ついたぞ」


どんどん白と入り混ざって、濁って消えていく紫色

魔法と言ってもそう綺麗なものばかりじゃない

光を纏うだったり、輝気を帯びたり

そういうお遊戯に使うような魔法は学校で習わないから僕は知らない


「…ん、出来ましたよ」


「ありがとな

さすが名門校だ」


「僕明日は学校なので

帰りますね」


「飯だけ食ってきなよ

ガクから貰った剣持少年のカレーさ

パンにつけて食べないか?」


「……いいですね」


吸血鬼は嫌いだ

知らない人間を、僕の友達を、学校にいるやつの家族を殺したから

けど、俺は人を護っていた吸血鬼に心が惹かれていくのが止められないことが怖い



.

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兎斗(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます!もう既に惚れました()楽しみにしてくださってありがとうございます!がんばります! (2022年11月28日 0時) (レス) id: d97bb948a4 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - knmtお前ッ…!!!急に優しくするなよ惚れるだろうが!!と読む途中に必死に悶えるのを抑えながら悶えてたにゃーです(??)今回も面白いです!更新楽しみにしてます! (2022年11月21日 19時) (レス) @page21 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
兎斗(プロフ) - にゃーちゃんさん» ありがとうございます!!笑 更新頑張ります!奥様ァァァァァァァァ!!!!() (2022年11月19日 0時) (レス) id: d97bb948a4 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - ああああああ!!!いけません!!いけません奥様アアアアアア!!!!死んじゃう!!!尊さで死んでしまう…!!(( はい、今回もてぇてぇくて無事死亡しました!()更新頑張って下さい!楽しみにしてます! (2022年11月16日 2時) (レス) @page19 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
兎斗(プロフ) - にゃーちゃんさん» ありがとうございます!飽きるまではほぼ毎日くらいの頻度で更新できると思うので楽しみにしててください!(飽き性) (2022年11月13日 2時) (レス) id: d97bb948a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:兎斗 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/miitan11201/  
作成日時:2022年11月1日 23時

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