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剣持side
あの人がうちの学校に来てから少しして、記憶を辿りに吸血鬼の家に訪れた
「こんなに動物いたんですね…」
「最初に招いた時は隠していたからな
みんな怪我をしてたからうちに招いてるんだ」
小鳥に野良猫に野良犬に
ガっくんそっくりの狐や、僕よりも大きな白い虎までいる
ついこの前まではクマもいたらしい
大所帯にも程がある
「この虎は私が昔ラグーザ家から躾のために預かってたんだがな
あまりにも私に懐いてしまって、このままうちにいるんだ
今じゃ人間大好きになってね、噛まないし唸らないし
すっかり可愛い女の子だよ」
女の子だったのか
それに、噛まないよと言われても少し怖くて恐る恐る離れていった
「少年は怖がりだなぁ」
「うるさいなぁ…普通怖いでしょこんなの」
しばらく世間話をして、この前の鮮血事件の話をした
友達の友達が怪我をして家に連れてきたから治した、なんて簡潔に説明されてしまいなるほどとしかいえなかった
虎と共に家の中にある階段を途中まで上り、たくさんの本が飾られた本棚を漁りながら彼女は僕に問いただした
「少年はさぁ
なんでこんなに私の事信用してんの?」
いつもと少し違う喋り方
普通の女子高生のような、そんな感じの
「特に理由は無いですけど…
別にあなたに助けられた訳じゃないし、特別信頼出来る何かがあったとか言う訳じゃないですけど
……僕、吸血鬼に両親を殺されてるんですよ」
そう言うと、ピクリと肩が反応する
やっぱり、話さない方が良かったか
「すみません、今のは「知ってるよ」……え?」
「知ってる
君の両親が殺されてることは」
特に何も言えることは無かった
ただ疑問しかわかなかった
「……えっと
なんで、知ってるんですか」
「それはまだ言えないかな
家もないんでしょ?今
ガクの家に入り浸ってる。ちがう?」
確かにあたりだ
でもなんでそれを彼女が知っている?
ずっと前から、僕のことを知っていた?
「泊まっていきなよ
ここには邪魔するものはないから」
吸血鬼の顔は暗がりに隠されて見えなかった
ただ、少しだけ震えた声が聞こえた
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兎斗(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます!もう既に惚れました()楽しみにしてくださってありがとうございます!がんばります! (2022年11月28日 0時) (レス) id: d97bb948a4 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - knmtお前ッ…!!!急に優しくするなよ惚れるだろうが!!と読む途中に必死に悶えるのを抑えながら悶えてたにゃーです(??)今回も面白いです!更新楽しみにしてます! (2022年11月21日 19時) (レス) @page21 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
兎斗(プロフ) - にゃーちゃんさん» ありがとうございます!!笑 更新頑張ります!奥様ァァァァァァァァ!!!!() (2022年11月19日 0時) (レス) id: d97bb948a4 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - ああああああ!!!いけません!!いけません奥様アアアアアア!!!!死んじゃう!!!尊さで死んでしまう…!!(( はい、今回もてぇてぇくて無事死亡しました!()更新頑張って下さい!楽しみにしてます! (2022年11月16日 2時) (レス) @page19 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
兎斗(プロフ) - にゃーちゃんさん» ありがとうございます!飽きるまではほぼ毎日くらいの頻度で更新できると思うので楽しみにしててください!(飽き性) (2022年11月13日 2時) (レス) id: d97bb948a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:兎斗 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/miitan11201/
作成日時:2022年11月1日 23時