へろーまいえんじぇる【2j3j】

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「うわっちょっ…たっか…」


「高いところは苦手か？」


「いや、そうでもないですけど…

いざ空なんか飛ぶと不思議な感覚なんですね」


「偉く落ち着いてるんだな

魔法学校で浮遊の訓練も追加されたのか？」


「いやないですけど…

空を飛んでみたいって、誰でも1回は思っちゃうじゃないですか

鳥になりたいとか」


今それが叶った感じで嬉しいです

そういった少年はこの短い期間で初めて子供らしい笑顔を浮かべた


「昨今の若者はあまりに気が滅入りすぎだからなぁ…」


「何か言いました？」


「いーや？なーんにも？

ほら、あの時計台の上なんかどうだ？

あそこは街が見下ろせる穴場なんだ！！」


「うわっ！

早っ…ゔあぁ！！」


スピードを上げて少年を空中で俵担ぎに持ち直す

独特の浮遊感からか少年は恐怖で絶叫し、私はそれに対してケラケラと笑った


「ふざけんなよマジで…っ！」


「死なないから大丈夫大丈夫

私が死なせないからな」


時計台に着き、少年を屋根の柱付近に降ろす


「どうだ、素敵な眺めだろう？」


「たしかに、凄い…

あ、あれとかこの街でいちばん大きい魔法学校ですね」


「じゃあ君はあの…少し小さい方か？」


「そうです」


「うわぁ、本当に優秀なんだな君

あそこ少人数編成の精鋭が集まるところじゃないか

私といていいのか？」


「僕がいいからいいんですよ

きっと僕の友達はだいたいそれでいいんじゃないって言います」


ものすごい自信だな

羨ましいくらいだ


「恵まれてるんだな」


「えぇ

そりゃもう、僕以上に人生を謳歌してる人間なんていませんからね

僕自身が元から恵まれてるんですよ」


そう言って夜風に靡く少年に、ついこう聞いた


「じゃあその誰よりも人生を謳歌している少年の名は

なんというんだ？」



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