怪異症候群～another story～【小暮視点】part2 (ページ3)

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episode2 テケテケ3 ページ3

「･･･ようするに、僕自身にコトリバコの呪いがかかりコトリバコは消えて、僕の命も消えそうなんですね。理解しました」

「誰も最後のセリフは言っていません」

俺がしばらく間を開けてからそう淡々と話し、中川さんが即つっこむ。

「確かにコトリバコの呪いは人をころすほどの力を持っていますが･･･今回のコトリバコは異質です。もしかしたら呪いの系統も違うのかも知れません･･･」

「･･･呪いの系統？」

「呪いといってもたくさんありますので。人を傷つけたりころしたりするタイプもあればその人の運気を悪くする呪い、はたまたその人の周りに影響を及ぼす呪い･･･このコトリバコはどの系統かはまだわからないのです。そして･･･」

「･･････そして？」

中川さんが言いにくそうに目線をそらす。

それがこの先の言葉を予想させるには十分な動きだった。

「･･･コトリバコの呪いが放出されたということは･･･怪異がこのあたり一体に出現する可能性もあります。」

「･･････！」

美梨が目を見開き俺は冷や汗を垂らす

「あなたがおこし･･････先日起きた事件、怪異症候群が今度はこの町で起こるかもしれないのです。」

「怪異･･･症候群･･･」

「･････････」

自分が今何を思っているのかわからないほど俺は今困惑していた。

呪いがかかったショックやコトリバコについての疑問、再び襲いかかると言われた怪異に対しての怒りや憎しみ、そして俺のせいで巻き込んでしまったこの町に対する罪悪感･･･

そう、今回の件は全く予想のつかなかったことだ

前回みたいに悪意があって起こした訳では無い･･･

「･･････小暮さん？だ、大丈夫ですか？」

恐らく俺は相当顔色が悪かったのだろう･･･美梨が俺の顔をのぞき込みながら心配そうに尋ねる

「･･････疲れた･･･」

「今回の件はあなたに悪気があったわけではないですしね･･･仕方ないで済ませることではないとはいえ複雑な気持ちです。」

中川さんもそう呟く

「････････････」

「････････････」

「･･･とりあえず、今日はもう遅い。あなたの家までは私が送りますから、帰りましょう。これ以上お邪魔になるわけにもいきませんし」

しばらく沈黙が続いたあと、中川さんがそう言った

「え、いや･･･泊まっていくこともできますよ！」

「いえ･･･ただでさえ突然の訪問でしたので･･･」

そんな会話を俺はただぼーっと眺めていた