宣戦布告(ティアリスト) ページ11
ガチャ、という物音に金森と中川が反応する
(今日お客さんが来るなんて聞いてないんだけど・・・でも関係者専門ドアから・・・?)
訝しげな表情を浮かべ金森がドアの方に目をやる。
「っ!?」
その瞬間はっと目を見開いた。
その目に写っているものが信じられないかのように・・・
「珍しいですね・・・特務課がこんなに静かなんて・・・てっきり僕の悪口で盛り上がってるのかと思ったんですけど」
やけにテンションの高い口調で告げた扉の前の人物は、昨日まではあたりまえに特務課にいた人物・・・
そして、今は特務課の敵となった人物だった・・・。
「こ・・・・・・小暮くん・・・」
中川が息を詰まらせながらその人物の名前を告げた。
「どうも。・・・やっぱり氷室さんは今日は欠席ですか?まあそりゃそうですよね」
小暮はそう言うとなんの遠慮もなしに特務課に入り込む。
しかしその姿を警官服を身にまとった先日までの彼ではない
黒いコートを羽織った特務課の知らない彼だった・・・
「・・・何の用だ。ここにお前の居場所はねぇぞ。」
高木が低い口調でそう言う。その表情はサングラスをかけていて見て取ることが出来ない。
「やだなぁ、僕がそんなもの求めてると思います?」
小暮はニコリと笑うと高木にそう告げる
そしてコートの胸ポケットから一枚の封筒取り出した。
「これを出しに来ただけですよ」
そう言って小暮は中川の机に封筒を置いた。
封筒には辞職願と書かれていた。
「・・・・・・」
中川は黙ってその封筒を見つめる。
「今までにお世話になりました。」
小暮はそれだけを告げるとそそくさと特務課を後にしようとする
が、扉へ向いた小暮の背中に向かって中川が口を開き小暮の行動を制する。
「言いたいことはそれだけですか?」
「・・・・・・・・・」
間が特務課に広がる
金森も高木も黙って小暮を見つめていた。
小暮は考え込むようにその場に立ち尽くす。
「・・・・・・言いたいこと・・・ですか」
やっと口を開いた小暮は相変わらずのテンションでそう淡々と話す
「特にありませんね。あなた達に言いたいことは」
「・・・・・・・・・」
その言葉を最後に小暮は特務課の扉を閉めた・・・。
『あなた達(一般人)にはありませんよ・・・言いたいことなんて何一つ・・・ねぇ?』
氷室さん・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
中川さんの「辞職しました」というセリフだけで生まれた話
5人がお気に入り
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ゆうりん - ティアリストさん、返信ありがとうございます!そんな裏話があったんですねw (2017年3月27日 0時) (レス) id: 955e9ba672 (このIDを非表示/違反報告)
ティアリスト(プロフ) - ゆうりんさん» コメントありがとうございます!回転寿司はパターンを変えている小説の書き方の中でも好きな書き方だったので私自身もとても楽しみながらかけました!このネタは焼肉屋に行った時に思いつくという謎の裏話もあります(笑)これからと応援よろしくお願いします! (2017年3月21日 22時) (レス) id: 38e65c6bf8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうりん - すごい面白いです!私のお気に入りは、回転寿司と菊川警察署特務課は今日も賑やか、です!更新待ってます! (2017年3月21日 22時) (レス) id: 955e9ba672 (このIDを非表示/違反報告)
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