【tkrv】自分の美の価値観が世の中と全然違う件2

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その例の方達は、15時頃オフィスにやってくる予定らしい。書類を提出してもらって、不備がなければそれですぐ帰るそう。
まだ朝なので、その方達が来るまでに時間がある。それまではいつも通りの業務をすることになるのだろう。九井さん曰く、「そいつらがきても自分の業務に打ち込んで関わらないようにするのが吉」らしい。ウーン、そんなヤベェのか…。

…黙々と業務を行い、昼休憩でお弁当を食べ、休憩が終わるとまた業務。
いつも通りのルーティンで時間は流れ、気がつけばもう15時を過ぎていた。そろそろ来るのかな、と少し不安(と期待)で心臓をバクバクさせながら何事もないような顔でPCのキーボードを打ち込む。

「…ん、あれ」
「どうした？」
「ああいや、ここの計算なんですけど何回やっても合わなくて…」
「どれ？…あ、これ一月の資料抜けてっからこうなってンのかも」
「えっ、…あ、ホントやん！すいません、ありがとうございます！ちょっと資料室の方行ってきます」
「オウ。いってら」
「ハイ」

アブネー。危うく変なミスするとこだった。
そう思い、オフィスの隣にある資料室へと向かう。隣、と言っても資料室はオフィス内からしか入れない。

資料室はパンパンになった資料が四方にあるスチールラックに詰め込まれており、心なしが防音性があるように思う。あ、上にある資料が取れない私に、九井さんがIK●Aで結局脚立買ってくれました。勿論経費で。

一月、一月…と資料を探し、無事資料も見つけられた。さーて戻ろ。と思ったところで、何やらオフィス内で喋り声が。九井さんは徹夜すると独り言が多くなるタイプではあるが、資料室を貫通して声が聞こえるほどデカい独り言は言わないので、恐らく「例の上層部の方々」が来たのだろう。
うわー一気に緊張してきた。九井さんが「イカれてる」って言うもんだから余計に。

でもいつまでも資料室で座敷童子みたいに篭っているわけにもいかないので、何事もないフリをしてオフィスへと戻ることにした。

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