プロローグ2 ページ2
ニキビなんかは時として「ルビーの飾り」と称されることもあるとかいうのを、図書館にあった「美の歴史」関連の本で読んだ。
そこに載っている有名な美男子画「宝石のロメオット」は、伝説の美しい王太子が描かれた絵画で、『ルビーと真珠で彩られた類稀なる美しい顔を持った美男子』…らしいのだが、私からすれば、どこをどう見たってキャンバスいっぱいに描かれてる、肥え太ったパンッパンな顔面をデッケエ赤ニキビと白ニキビに寄生された豚鼻のグロメン。早々気分が悪くなって本は閉じた。
この世界では、どうやらコレが美しいらしい。いや、現代はもうちょっと好みが細分化してるけど、この世界にとっての「完璧な顔」は私にとっての「歪な顔」なのである。
とりあえず、美醜の価値観の反転についてはお分かりいただけただろうか。
あ、でも女性の美しさの基準は前の世界と変わらない。なんでだよ、と思ったけど、男性にないものを持っているのが女性、女性がもっていないものを満たすのが男性であるという謎な考え方がからきてるっぽい。ちなみに女の「ブス」に分類される人たちも確かに相手にされないっちゃされないけど、基本この世界の女の人がブス専(私的には)が多いせいか、同性に可愛がられる節があったりなかったり。
あと最後。一番嫌なのは、それはもう酷い美尊醜卑であること。
美しいものは喜ばれるが、醜いものはとことん忌み嫌われるのだ。ただの美醜反転だけならまだまあカルチャーショックくらいで済んだのだが、醜いもの(私にとっては最高のイケメン)は顔を見られただけで気分を害し吐く人もいるらしい。ええ…人の顔見て勝手に気分悪くなって吐くなよ…。失礼すぎでしょ…。
しかもブサイクは何されたって文句言えない言う権利なしみたいな風潮があって、基本なんかされても「全部お前が醜いから悪い」で片付けられてしまうのである。
怖すぎるこの世界。
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Kyoro丸。(プロフ) - 超面白いですね(笑)主人公の性格が癖強くて好きです(笑) (2023年2月11日 13時) (レス) @page13 id: ea6fdef67d (このIDを非表示/違反報告)
icchy(プロフ) - はじめまして!めっちゃおもしろくてハマりました✨是非どんどん続編期待してます!! (2023年1月9日 21時) (レス) id: 1c7a9fb991 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怪人百面相 | 作成日時:2023年1月6日 15時