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あ、九井さんは人が来ない時間帯を把握しているのかまだその人とは会ったことがない。それにお客様に他のお客様の愚痴言うわけにもいかないので話すわけにもいかないし、その人のことは知らないのだ。


…と思っていた矢先に、件のお客様がやってきた。すごいタイミング。
丁度九井さんが、レジカウンターが死角になる奥のドリンクコーナーの方に行った時だった。

「あ!やっほーAちゃん今日も夜勤?笑」

入ってきて早々私を見つけてそう言うイケメン()。Aちゃんって呼ぶなよ。お前は私の友達じゃねえんだからよ。
不愉快だけどお客さんの対応に差をつけちゃいけないので取り敢えず笑って返しとく。

「ああハイ。そうなんですー」

陰湿だけど、コイツから話しかけられた時は「いらっしゃいませ」は言わないことにしてる。でもコイツは自分のことばっか考えてるので気づかずに私に話しかけるのだ。頭の悪い豚め。

「えーめっちゃ偉いね。健気で可愛い」
「ハハハ、ありがとうございます。…」
「でもあんま無理したらダメだよ?…Aちゃんさ、もしかしてだけどオレに会うために…夜勤やってくれたり?だとしたらオレ、スゲー嬉しいんだけど」

豚、間違えたイケメン()のお客さんが、カウンターに寄りかかって囁いてくる。世の女性ならイチコロなのだろうが…あーーーーーーーーキツイ。九井さんとほぼ同じこと言ってんのに、顔、行動、態度…全部が受け付けない。地獄のミサワみたいな痛さを感じる。セリフがキショすぎて言葉が出ず「ハハ…」みたいな愛想笑いしかできなかった。

それをどう捉えたのか、豚はどんどん調子に乗って笑みを深めた。食品だったら糸引いてるレベルで汚ねえ笑顔だった。

「…ね、オレさ。本当にAちゃんのこと好きなんだよ。仕事終わるまで待つからさ、デートしようよ」
「いや、終わるの朝なので…それはちょっと」
「じゃあ別日はどう?Aちゃんの好きそうなお店、教えてあげるからさ」
「ンー、基本大学とか就活が忙しいのでなんとも…」
「そんなのたまにはサボっちゃおうよ。…だあいじょうぶ。遠慮しないで?」
「え、遠慮とかではなくて」

あああああああああああああ!自分発狂いいっすか?あああああああああああああああああああ!

今ここでキチゲ解放して絶叫あげながらフライヤー什器に入った高温の油をこの男にブチ撒けたい。キモすぎてダメ。鳥肌が頬にまで立ちそうになるとか初めて経験したわ。

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Kyoro丸。(プロフ) - 超面白いですね(笑)主人公の性格が癖強くて好きです(笑) (2023年2月11日 13時) (レス) @page13 id: ea6fdef67d (このIDを非表示/違反報告)
icchy(プロフ) - はじめまして!めっちゃおもしろくてハマりました✨是非どんどん続編期待してます!! (2023年1月9日 21時) (レス) id: 1c7a9fb991 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:怪人百面相 | 作成日時:2023年1月6日 15時

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