先輩に卒恋 . (ページ9)

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與先輩はきっと実彩子先輩を嫌いになれない。

それは私も同じで、隆弘を嫌いにはなれないだろう。

『私が泣いちゃいけないのに…』

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西「あの、」

『最低』

『…私信じてたのに、隆弘のこと。與先輩だけは傷つけないでって言ったのに、』

掴まれた腕を振り払って、私は走った。

『(今日與先輩ダンス休むよね…)』

ずっと與先輩に片想いしていたこと、そして失恋したことを隆弘に言った日。

隆弘はすごく驚いていたけど、頑張れって応援してくれた。

今まで誰にも言えなかったから、すごく気分が軽くなった。

いつから隆弘は実彩子先輩を好きになったの？

なんて、私に聞く勇気はもうない_______。

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今日のダンスレッスンに與先輩は来た。

でもテンションは低いし、目は腫れている。

『(大会も近いし休んでる暇ないよね…)』

彼を元気にさせられるのは実彩子先輩しかいないし、逆に悲しませられるのも彼女しかいない。

きっと、頭の中は実彩子先輩でいっぱいなんだろう。

「Aズレてるよ、リズムが合ってない」

私のほうが集中できなくて、ミスの連続。

大会が近いのに何してるんだろう。

「A、具合悪いの？」

『いや大丈夫です』

「皆に迷惑がかかってる、もし集中できなかったらやらなくていい。センターの代わりはいくらでもいるから」

日頃からやっている振りさえも忘れて、休憩時間も私だけ指導が入る。

皆からの視線が痛くて、全然集中できない。

もちろん與先輩にも迷惑をかけている。

そう感じた瞬間、私の身体が急にコントロールできなくなった。

與「Aちゃん！！」

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