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なんで私は引き止められなかったんだろう。
違う、私は聞けなかったんだ。
隆弘があまりにも切なく微笑むから、聞きたくなかった。
今まで一緒にいた彼を、私を疑うなんてできない。
與「実彩子、好きやで」
宇「なに急にー？」
與「ずっと俺の傍にいてや？」
宇「言われなくてもそのつもりですー」
『(…やっぱり私の勘違いかな、)』
きっと隆弘には、ちゃんとした理由があるんだ。
.
.
.
でも、ふたりを見るたびに私は思う。
日に日に増す"好き"という感情を捨てたい、と。
『…私だって嫌いになりたいよ』
本気で與先輩に恋してるからこそ、辛い。
.
.
中1のときに彼を好きになって、もう3年も片想いしている。
私と同じように與先輩も実彩子先輩にずっと片想いしていた。
『(同じ時期なんて、叶うわけないよなぁ、)』
邪魔だってできたはずだった。
そして、実彩子先輩から奪うことだって。
でも、私には絶対できない。
あんなに輝いてる笑顔を壊すことなんて。
この恋は実らない、自分でもよく分かってる。
あの頃はたくさん泣いてたなぁ、なんて。
そのたびに涙を拭って、慰めてくれたのは_______。
西「おい、目腫れんぞ」
西「そんなんで諦めんの？」
西「大丈夫、Aは頑張ってる」
『…隆弘だったな、』
.
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作者名：あお（こちらに変更） | 作成日時：2016年9月16日 21時
