先輩に卒恋 . (ページ12)

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その件があってから、私はずっと体調が優れなくてダンススクールを辞めた。

正直、與先輩と会いたくなかった。

もう関わることはないと思っている。

でも、自分の気持ちにウソはつけない。

たまに校内で見るときに思うんだ、あぁやっぱり與先輩が好きなんだって。

隆弘と話すこともなくなって、私はクラスで浮く存在となってしまった。

人とコミュニケーションを取ることが苦手な私を助けてくれたのは、いつも隆弘だったから。

大好きだったダンスを辞めて、食欲さえも失い、どんどん痩せ細る私を見てどう思ってるんだろう。

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與先輩と実彩子先輩はヨリを戻したらしい。

応援するにも私は彼にフラれた身だから、どんな顔をして会えばいいかわからない。

『…はぁ』

私はバイトを始めた。

そしたら、余計に疲れが溜まっていく一方。

家の近くの喫茶店、隆弘や與先輩が来るかもしれないって無駄に期待して。

『(私ってバカだよなぁ、)』

今週だって、私の高校の制服を来た生徒が何人も来た。

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バイトに向かう道中、後ろから声をかけられた。

「Aちゃん？」

誰かなんてすぐにわかった、その大好きな声。

でも、私はすぐに振り向けなかった。

見えるの、ふたつの影が。

仲良さそうにぴったりくっついている。

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