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高校1年の夏、私は叶わない恋をしてる。
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黄色い歓声を浴びながら、
今日もまた大勢の女子を虜にする1個上の先輩。
学校内で1番モテる男、與真司郎。
そして、そんな彼に私は惚れてしまった。
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與「おはようさん」
宇「真司郎！」
與「教室行こか」
そんな彼に彼女がいるのは当然のこと。
彼らの邪魔をできる者は、きっといないだろう。
幸せそうな横顔を見ると、自分の気持ちは伝えるべきではない。
あの笑顔を壊してはいけない、そう思ってしまう。
彼女以外の女子とはあまり話さない、実彩子先輩にだけ特別優しい彼。
與先輩は中学の頃から、実彩子先輩に片想いしていた。
私は中学が彼らと一緒で、中1のときに中2の與先輩を好きになった。
彼と同じ高校に通いたくてここに来たのに、與先輩は憧れの実彩子先輩と既に付き合っていた。
あのときはショックすぎて、何も手につかなかった記憶がある。
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入学当時、私は與先輩が好きだということを誰にも話していなかった。
新1年生に向けて、2年生代表のスピーチが與先輩だったことで人気はまたたく間に上がり、彼に一目惚れした生徒はきっと少なくない。
噂だって増えるだろうし、彼と実彩子先輩が同じ学校に通っていることだって知っていた。
はずなのに、
「與先輩って同学年の実彩子さん？っていう人と付き合ってるらしいね」
「あの顔面で彼女いないほうがおかしいよ」
盗み聞きした情報は、私が知り得ないもので。
思わず足を止めてしまった記憶がある。
『(あのふたりって付き合ったの？)』
「ずっと片想いしてたらしいけど、高1のときに與先輩が遂に告ったんだって」
「まぁ彼女も断らない理由がないよねー」
『(そりゃそうだよね、あの人に彼女がいないほうがおかしいんだ、)』
そのときの私は、現実を受け止められなかった。
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作者名：あお（こちらに変更） | 作成日時：2016年9月16日 21時
