野 球 部 の 君 ― 2

♯51 ページ21

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顔が赤いくせに、睨んでくる。




宇「真司郎を好きになった、きっかけあるの？」

『あるよ』



昼時間にパン片手に
実彩子と與君の話をしていた。


実彩子もきっかけを問いてきた。



『私に兄が二人居て、野球のクラブチームに所属してるの』



全部を実彩子に話した。





宇「へ〜、全然知らなかった」

『でしょうね〜』


宇「私、真司郎に怒ったの」




『え？』



申し訳無さそうに、実彩子は話す。





宇「千晃がAが早退した理由、言ってたでしょ？」




両親は意識はあるのに
二人共目を覚ましてくれないまま。



毎日お見舞いに行ってるけど。






宇「真司郎、私の隣席なんだけど」

宇「一時間目、ずっとAを見てたんだよ」



宇「数学の先生、私語しても見逃すじゃん？」

『うん』








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宇「そんなに好きなんだね」

與「は？」


宇「Aが好きなんでしょ？」




数学の授業中に、私は真司郎と話してた。





與「………」

宇「付き合えばよかったのに」

與「そういうの分からんもん」




真司郎のヘタレに呆れて
私は軽く真司郎を怒った。



宇「一緒に居たいとか、触れたいとか、」

宇「そういう気持ちが、付き合うに繋がるんだよ」


宇「Aはいい人だよ、真司郎は馬鹿だね」






宇「あんた、バレバレなんだよ」






宇「“ Aを支えたい ”って顔に出てるんだから」








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