野 球 部 の 君 ― 2

♯31 ページ1

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『はあ〜っ』



時間が掛かったようで
綺麗な夕暮れの外ではなかった。






『帰ろっと………』



私は欠伸をしながら
生徒玄関に向かっていた。




夜の学校は怖いじゃん………？


部活も終わってるはずなのに
影がグラウンドに目立っていた。



『幽霊じゃないよね………』




夏休みが近付いてるのに
外は異常な寒さを増していく。


薄暗く見えるものは、肩を小さく揺らしていた。





『…………っ』ｺﾞｸ




何も知らないまま
私は通り過ぎようとした。





『ぎゃっ………！』




私の腕が掴まれて、私の足は止められた。






『幽霊……！？』

「誰が幽霊やねん？」


『えっ………』


與「ほんまに失礼な奴やわ」





私の腕を掴んだのは、與君だった。




『なんで………っ』




與「……千晃に言われただけや」


與「俺は、帰るつもりやったんやで！！」

與「遅すぎるやろ………/」



『ありがとう………？』


『與君、顔が真っ赤だよ』








與「さ、寒いからや………！」









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