赤羽くんと夕凪さん【暗殺教室】 (ページ8)

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♯6 ページ8

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「お、奥田、それで渡して飲むバカはさすがに…」

「それはそれは…では、いただきます」

殺せんせーはなんの躊躇いもなく、ゴクゴクと試験管の1本を飲む。するとせんせーは苦しそうに胸を抑える。

「うっ…ごっ、…こ、これは……」

「効いてるのか…？」

「まさか…！」

殺せんせーの初めて見せた行動に、みんな席を立ち上がる。見えなくなった私も立ち上がるけど、みんな背が高いせいでよく見えなくなった。
ので、隙間から顔を出してその光景を拝む。その光景は苦しみもがく殺せんせーではなく、ツノが生えた殺せんせーだった。

「この味は水酸化ナトリウムですね。人間が飲めば有害ですが、先生には効きませんねぇ」

「そうですか…」

残念そうにする奥田さん。するとせんせーはもう1本の試験管を手にし、再びゴクゴクと飲んだ。

「にゅ…うっ…ぐぁあ、にゅにゅ……」

「今度は羽が生えた！？」

「無駄に豪華な顔になってきたぞ…！？」

ユニコーンみたいなペガサスみたいな……そんなメルヘンな見た目じゃないけど、特徴だけ捉えたらそうだ。

「酢酸タリウムですね。では最後の1本！！

…ん、んぉ"お"お"お"！！！！」

「どうなるの！？」

「最後はどうなるんだ！？」

クラス全員がそれを見守った。顔をあげた殺せんせーの白くなり……すごく真顔になった。

「真顔になった」

「変化の方向性が読めねぇよ…」

「てか先生真顔うっす！！！！」

「顔文字みてぇだな！？！？」

せんせーの変化や表情にレパートリーがかなりあることが分かった。それにしてもせんせー飲んだだけで、なんの毒か分かるんだ、一回飲んだことあるのか。

「王水ですねぇ、どれも先生の表情を変える程度です。先生のことは嫌いでも、暗殺のことは嫌いにならないでください」

「いきなりどうした！？」

「それとね、奥田さん」

いつもの顔色に戻った殺せんせー。

「生徒1人で毒を作るのは安全管理上見過ごせませんよ」

「はい、すみませんでした…」

「このあと時間があるのなら、一緒に先生を殺す毒薬を研究しましょう」

「あ、はい…！！」

自分を殺すための毒作りに協力するなんて……変なの。

見たいものも見れた私は、今度こそ実験室を出た。