赤羽くんと夕凪さん【暗殺教室】 (ページ7)

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♯5 ページ7

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「はぁ…はぁ」

次は理科の授業。一番最後に教室を出た私が実験室に入ると、岡島くん、三村くん、前原くんは疲れた様子だった。
前原くんが言うには3人がかりでナイフで攻撃したけど、避けられるどころか実験準備を終わらせたみたい。

「やっぱそれくらいの不意打ちじゃ、だめでしょ。
あ、夕凪さーん！俺達今日同じ班だよ、運命かな」

「机順なだけだと思うけど」

「そうだよね。俺達赤い糸で惹かれあってるもんね〜」

……赤羽くんは独り言が激しいただの暇人じゃなく、人の話を聞いてくれない人です。

それから授業が始まった。私は赤羽くんの前に座り、視線を感じながらも実験を始める。
ビーカーの中の苺ポッキーに、酢酸を垂らすと着色料により酢酸が赤くなった。

「はい、お菓子から着色料を取り出す実験は……これで終了。余ったお菓子は先生が回収しておきます！！」

「「「「ええ～～～！？！？！？」」」」

触手で余ったお菓子をさっと回収した殺せんせー。みんなそれに納得いかないようで、ブーイングが止まらない。

「それ、俺たちが買ったやつだぞ！！」

「給料日前だから授業でおやつを調達してやがる…」

「地球を滅ぼす超生物がなんで給料なんかで暮らしてんのよ…」

腐っても生物の殺せんせー。卑しい気持ちは私達と同じようにあるんだろう。
授業も終わったみたいだし、教科書や道具を片付けて一足先に教室に戻ろうと立ち上がった。

「あれ夕凪さん、戻るの？」

「授業終わったから」

「えー。でもこれから面白いの見れるよ」

赤羽くんが指さす先には、試験管とフラスコを持つ奥田さんの姿。それを殺せんせーに差し出した。

「毒です！飲んでください！！」

前原くんがストレートだと言っているが、私も同感。でも毒が殺せんせーに効くのか見てみたいという好奇心もあり、私は席には戻らずその場にしゃがむ。

「可愛いじゃん」

「なにが」

「夕凪さん。机からひょっこり顔だして可愛い」

「そっか」

何故か頭を撫でられてるけど、気にせず教卓の方を見た。

「奥田さん、これはまた正直な暗殺ですねぇ」

「あ、あの…あの、私みんなみたいに不意打ちとか上手く出来なくて、でも化学なら得意なんで真心込めて作ったんです！！」

……毒薬に真心なんてあるのだろうか。