赤羽くんと夕凪さん【暗殺教室】 (ページ41)

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♯38 ページ41

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旅館のお庭の椅子に座り、ストレートティーを飲む。買った時はあったたかったハズなのに、今は少し冷めている。
この場所は住宅街ではないから、明かりが少なく、星がいつもより多く見える。

「夕凪さん、み〜っけ」

「赤羽くん」

赤羽くんは私がどこにいても見つけてくる。将来はストーカーかもしれない。

「みんなと一緒にいないの？」

「うん。ビッチ先生含め、アイツら殺せんせー殺しにいってる」

「そっか」

アイツらってことは、男子達もせんせー追いかけてるのかな。殺せんせー、あっちでは何やったんだろ。

「隣、座っていい？」

「いいよ」

「ありがと」

私は少し横に避けた。空いたスペースに赤羽くんは座る。

「今日は大変だったね」

「うん」

「途中から暗殺どころじゃなくなったし、」

「うん」

「でも不良達も警察に送り付けたから、もう大丈夫かな」

「うん」

この辺はとっても静か。まだ虫の出てくる季節じゃないから、聞こえるのはたまに吹く風の音や旅館にいるみんなの声だけ。

「…………赤羽くん」

「なぁに？」

「言いたいことあるんだ」

「俺に？」

「うん」

ストレートティーを口から離し、ペットボトルのキャップを閉めた。私は隣にいる赤羽くんの方を向く。

「今日、助けてくれてありがとう」

「……！」

「嬉しかったよ」

赤羽くんは目をぱちくりさせると、ちょっと笑って、顔を下げた。

「助けたって……俺、何も出来なかったじゃん。結局みんな攫われたし、殺せんせーがいなけりゃ、夕凪さん達のいる場所も…」

「違うよ」

相変わらず顔は上げないけど、目線は私の方を向いていた。

「赤羽くん、捕まった私達のことすぐに助けようとしてくれたよ。廃工場でも部屋に一番最初に来て、私の元に走ってきてくれたのも赤羽くんだよ。
だから、ありがとう」

赤羽くんは顔を上げた。しばらく私の目を見て固まっていたけど、いきなり吹き出して、笑い始めた。

「……なんで笑うの」

「ははっ、いや、夕凪さんやっぱり面白いね」

「そう？」

「うん。さすが、俺の運命の人」

最後のはよく分からなかったから、無視することにする。