♯32 ページ35
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大男に捕まり、別の部屋に連れてこられた私。他にいるのは4、5人くらいの男達。
「なあ、もうやっていいのか？」
「ああ、他の奴らに伝えるのは後にしろよ。目をつけたのは俺なんだからな」
汚く笑う男達。私はハッキリしない頭で口を開く。
「ねぇ」
「あ？」
「……私が終わるまで2人には何もしないの？」
「そうだなぁ。今回の本命はお前だし、他のふたりは一緒にやる予定だからな」
「そっか。
じゃあ私には長い時間使ってもいいよ。痛くしてもいい。だから……」
だから、2人には手を出さないで。
「マジ？お許しでちゃった感じ？」
今まで行動を見る感じ、赤羽くん達にやったようなことをするんだろう。2人が殴られるのは嫌、だから。
それなら私が全部受ける。その間にみんなが助けを呼んでくれたらいいんだけど。
「それじゃあ失礼〜」
男は私のシャツに手を伸ばし、一つ一つボタンを外していく。更に別の男はナイフを取りだして、スカートをスレッドのように切り裂いた。
「うひゃひゃ！こりゃご褒美……ごほっ！！！」
すると一人の男の顔……体、いや頭？が飛んだ。何事かと他の人達も後ろを振り向く。隙間から覗いた先には、ぼやけた視界の先には、赤い髪の少年がいた。
「楽しそうなことしてるね〜。俺も混ぜて」
語尾にハートがつきそうな甘い声。だけど顔は穏やかじゃない。
「心花大丈夫！？」
「怪我は！？」
「みんな……」
良かった。2人とも助かったんだ。
せんせーが男達の相手をしている間に、赤羽くんが私の元に走ってきた。
「夕凪さん、大丈夫？」
「うん」
「怪我してない？」
「頭ちょっと殴られた……」
「オッケー、一発入れてくるどいつ？」
「しなくていいよ」
すると赤羽くんはハッとした様子で目を泳がせた。不思議そうに見ていると、赤羽くんは急いで私のシャツのとれたボタンをかけてくれた。
「ありがと」
「……ほんっと無防備バカ」
赤羽くんに支えられながら立つと、既に殺せんせーが事を終わらせていた。まだフラフラするけど、だいぶマシになってきたところでカエデちゃんが私に強く抱きついた。
「良かった〜！心花ぁ〜！！」
「カエデちゃん……」
「本当、無事で……」
「有希子ちゃん」
「心配しました……」
「愛美ちゃんも。……私もみんなが元気で良かった」
3人は泣いて私に抱きついた。ちょっと苦しい、酸欠。
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作者名：紅葉 | 作成日時：2023年8月15日 22時
