♯28 ページ31
.
「暗殺の場所、ここなら行けそうだな」
「スナイパーの人から見えるかな？」
修学旅行2日目。それぞれの班に別れ、自由行動基、暗殺場所の現地を訪れていた。
「変な修学旅行になったね」
「そうだね、でも楽しいよ」
「確かに！！あーん！せっかく京都に来たんだから抹茶プリンだけじゃなくて、抹茶わらび餅も食べたい！！」
「時間内に両方行くの難しいからプリンにしようって言ったの、カエデちゃんでしょ」
「そうだけど！！」
甘いものが好きなカエデちゃん。私が教えた、美味しい抹茶プリンと抹茶わらび餅のお店はそれぞれが遠くどちらかにしか行けず、それならとプリンLoveのカエデちゃんが絶対にプリンがいいと言っていたのだ。
「あ、では、毒を入れるというのはどうでしょう！？」
「なんで！？」
「殺せんせー、甘いものに目がないですから」
「いいねぇ、名物で毒殺」
「勿体ないよ！抹茶わらびが！」
「…殺せんせーに効く毒があればいいんだろうけど」
愛美ちゃんの毒薬暗殺見てしまったから、多分せんせーに効く毒薬はこの世にないと思うな。
「でもさぁ、修学旅行の時くらい暗殺のこと忘れたかったよなぁ……。
いい景色じゃん、暗殺なんて縁のない場所でさ」
「そうでもないよ。ちょっと寄りたいところがあるんだ。すぐそこのコンビニだよ」
潮田くんの後に続くと、そこは誰もが知る偉人の石碑があった。
「坂本龍馬…って、あの？」
「ああ、1867年、龍馬暗殺 近江屋の跡地ね」
「会議中に襲撃されたっていう」
「さらに歩いてすぐのところに本能寺もあるよ。当時と場所は少しズレてるけど」
途中見つけたわらび餅店の抹茶わらび餅を食べながら、カエデちゃんは潮田くんの意見に続く。
「そっか！織田信長も暗殺の一種か」
「この僅か1kmくらいの範囲の中でも物凄いビックネーム達が暗殺されてる。ずっと日本の中心だったこの街は暗殺の聖地でもあるんだ」
「なるほどなぁ、言われてみればこりゃ立派な暗殺旅行だ」
「次は八坂神社ですね」
「ええ」
「え〜もういいから休もう？京都の甘ったるいコーヒー飲みたいよ」
「飲もう飲もう！」
「カエデちゃん、虫歯になるよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 27人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紅葉 | 作成日時：2023年8月15日 22時
