♯27 ページ30
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新幹線で京都駅に着き、私達は旅館に向かった。その旅館にいるのは私達E組だけで、赤羽くんになんでか聞いたら他のクラスは高級ホテルに泊まってるんだって。
ホテルみたいに静かなところより、騒いでも多少は許される旅館の方がいいと思うけどな。
「新幹線とバスで酔って、グロッキーとは……」
「大丈夫？寝室で休んだら？」
口は心配してるけど、ガンガンナイフを当てにいっている不破さんと片岡さんと磯貝くん。
「いえご心配なく。先生、これから一度東京に戻ります。枕を忘れました」
「あんだけ荷物あって忘れ物かよ！！」
何の為の新幹線だったんだろう……。
私はさっきからカバンの中をガサゴソと探している、有希子ちゃんの方に行った。
「…どう？神崎さん、日程表見つかった？」
「ううん…」
その隣では有希子ちゃんが自分で作った日程表を探している。少し前まではあったのに、いつの間にかなくなったみたい。
「神崎さんは真面目ですからね、でもご心配なくこの手作りしおりを持てば全て安心…」
「「「「「それ持って歩きたくないからまとめてんだよ」」」」」
私も持ってきてないしね、そのしおり。重いから。
「…確かにバッグに入れてたのに、どこかに落としちゃったのかな」
「日程なら私も軽くメモしたもの持ってるから、なんとかなると思うよ」
「ありがとう、心花ちゃん」
それにしても日程表がなくなるなんて、不思議なこともあるものだなぁ。
某ホテル内＿＿
「あー、それでだな。明日の京都自由見学だが……おい、黙って聞け！！！」
正に不良校と言えるべきうるささの中、一人の男子生徒は“神崎有希子”と名前の書いたメモ帳を開いている。
「へぇ、あのガキ共明日はこんな風に回るわけねぇ」
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作者名：紅葉 | 作成日時：2023年8月15日 22時
