♯23 ページ26
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「……？」
「前からね、夕凪さんと話してみたかったの。夕凪さん朝はギリギリに来て、放課後はすぐに帰っちゃうし。いつも赤羽くんと話してるから、邪魔するのも悪いと思って」
そういえばお昼ご飯食べる時も、いっつも赤羽くんと喋ってたような気がする。
「修学旅行の班、夕凪さんと一緒になれて嬉しかったの。お友達になれるかなって」
「お友達……？」
「うん。ダメ、かな？」
神崎さんは恥ずかしそうだった。全然トイレに行きたいとかじゃなかった。ごめんなさいって、私は心の中で謝った。
「…………ダメじゃないよ」
「！ 本当？」
「うん」
「えっと、私のことも有希子って言ってほしいんだけど……」
「いいよ。“有希子”ちゃん」
神崎さん……有希子ちゃんはすごく嬉しそうな顔で笑った。私もお互い名前で呼び合うのは初めてだから、ちょっとむず痒い。
「何のお話中？」完全に二人で話してたから忘れかけてたけど、今は修学旅行の話し合い中だった。茅野さんと奥田さんがやって来て思い出した。
「心花ちゃんと仲良くなりたいなって。ね？」
「有希子ちゃんがどこのお店も美味しそうだねって、」
「いつの間にか名前で呼んでる！？」
何故かショックを受けてる茅野さんは、私の首に腕を巻き付けてギュッと抱きしめてきた。
「いいな！私のこともカエデって呼んで〜！」
「わっ、私も愛美って呼んでくれませんか？」
「いいよ。カエデちゃんと、愛美ちゃん」
2人に向かってそう言うと、かんざ……有希子ちゃんと同じような反応をした。
その後、強めにみんなに抱きしめられた。
「女子は早々に仲良くなってんな」
「夕凪さん埋もれてるけど大丈夫かな……」
「ちぇっ。夕凪さんの名前呼び処女は俺がもらおうと思ったのに」
「業？？」
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作者名：紅葉 | 作成日時：2023年8月15日 22時
