♯21 修学旅行編 ページ24
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「夕凪さん。班一緒になろーよ」
次の日。赤羽くんと会うの気まづいなと思っていたら、彼はそんな私の気持ちとは裏腹に普段通り声をかけてきた。
「……怒ってないの？」
「ん？」
「昨日のこと」
「ぜーんぜん。俺も詰め寄りすぎたから」
「そっか」
赤羽くん、意外とフランクだ。
すぐに修学旅行の班の話に戻り、既に一緒になっている人達がいると、私の手を引っ張った。
「渚くん。夕凪さん入れてもいいよね？」
「もちろん。よろしくね、夕凪さん」
「…うん」
「7人班でも大丈夫っつってたから、あと1人入れるけど」
私の班には、赤羽くん、潮田くん、茅野さん、奥田さん、杉野くんの6人。クラス人数の関係で7人班がいくつかできる。
「俺をなめんなよ、実はこの時のためにだいぶ前から誘っておいたのだ！クラスのマドンナ神崎さんでどうでしょう！！」
「おお！異議なし！！」
「よろしくね、みんな」
神崎さん。は、この前落とした消しゴムを拾ってもらった。だから多分優しい人。
「フン、ガキねぇ。世界中を飛び回った私には旅行なんて今更だわ」
「んじゃ留守番しててよ、ビッチ先生」
「花壇に水やっといて〜」
「ねぇ、2日目どこ行く〜？」
「やっぱり東山からじゃない？」
「………何よ！私抜きで楽しそうな話してんじゃないわよっ！！」
「あーもー！行きたいのか行きたくないのかどっちなんだよ！！」
たしかにイリーナ先生はプロの殺し屋。色んな国に行ったことあるんだろうな。
「イリーナ先生、行かないの？」
「え？」
「折角だから、先生とも行きたい」
私がそう言うと、先生はカチコチに固まった後、ほっぺを赤くした。
「も、もう！そこまで言うなら？仕方ないから、一緒に行ってあげるわよ！！」
どうやら先生も行く気になったみたいです。良かった良かった。
「夕凪ちゃんってもしかしてたらし？」
「前原女バージョン……」
茅野さんが言うには、私は“たらし”みたい。からしとたらこを合わせた食べ物かな、辛そう。
すると殺せんせーが、大きな辞書みたいなものをいっぱい持って教室に入ってきた。
「修学旅行のしおりです」
「重っっっ！！」
「辞書だろこれ！！」
せんせー特製の辞書には、イラスト解説と全観光スポット、おみやげトップ100、旅の護身術……初回特典には紙製の金閣寺までついていた。
……絶対家に置いていこ。
「さ、どこ回るか決めよう！」
旅行当日。私達暗殺教室の生徒は、変わらず暗殺の計画をしている。せんせーが殺せる、絶好のスポットを見つけなければならない。
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作者名：紅葉 | 作成日時：2023年8月15日 22時
