第2タワー 3話 ページ5
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Lou side
「よしっ。これでどうだ！」
難易度が下がった『ヒドラの逆襲』は、先程あれだけ苦戦していたジャミルでも、クリアできるようになっていた。
『なかなかのハイスコア！さすが、経験者なだけはあるね。その調子で、『タルタロスダンジョン』のミッションもドンドンこなしてほしいな』
「「ミッション？」」
再び場違いなオルトの発言に、俺とジャミルは同じ言葉を口に出して首を傾げた。
『そう！ここから先は、ファントムだらけの高難易度ダンジョン。高レベルのモンスターにエンカウントしないよう、気をつけて進んでね』
「何が出てこようが関係ねえ。絶対にテメェらのところに行き着いて、兄弟共々たてがみを毟りとってやる。首を洗って待っとけよ」
『……うん。兄さんと一緒に待ってる。
本当に、本当に＿＿楽しみにしてるからね』
「…………？」
意味深に言伝を残していったオルトのホログラムは、ゆっくりと消えて行き、俺たちを閉じ込めていたエレベーターの扉が開いた。
「何が『楽しみ』だ。ふざけやがって」
「同感です。『タルタロス』が高難易度ダンジョン？ゲームじゃあるまいし……」
「それじゃあ俺らはアイツの操作するキャラクターってところか？面白い冗談だ」
たしかにオルトは俺たちを、空想のゲームキャラクターとしか思っていないのかもしれない。
ただ……さっきのオルトの表情といい、言葉といい、やはり引っかかるものがある。何故あんなにも、彼らは“ゲーム”に……“空想”に固執するのか。
「……エレベーターはもう動かない。気を引き締めて、階段を進みましょう。なにが起こるかわかりません。俺から離れないでくださいね」
「……」
積極的に先頭に立つジャミル。それをレオナは煩わしそうな目で見ながら、後を歩いた。
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作者名：紅葉 | 作成日時：2023年4月21日 21時
