第2タワー 1話 ページ2
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Lou side
『タルタロス』第2タワー。
他のメンバーと別れた、俺たち3人は深い深い『冥府』への入口へと立っている。
「底が見えないほどに深い……『タルタロス』でしたっけ？いったいどれだけの階数があるんでしょうか」
「1番下は第12層と言っていたが、1層にどれだけの階数が存在してるかはマップに書いてなかったな」
「俺たちの声も響いているが……これだけじゃ、どのくらいの深さか分からないな」
いっその事山彦ちっくなことでもしてみるかと思っていると、レオナはジャミルの方に手を出した。
「おい、その無駄にじゃらじゃら付いてる髪飾りを一つよこせ」
「え？ああ、どうぞ」
レオナに言われてジャミルは赤い髪飾りを渡す。それを受け取ったレオナは、ぽいっと穴の中へそれを落とした。
ひゅーーーーーー…………と落ちていく音。しかし地面に落ちる音は聞こえない。
「……底に当たる音が聞こえねえ。30階、50階程度じゃねえことは確かだ」
「今のわざわざ俺の物でやる必要ありました？」
「というか、じゃらじゃらしたかざりならレオナも持ってるだろ」
「だったらそもそも渡さなきゃいいだろ。これっぽちでカリカリするな」
「……カリカリだなんて、とんでもないです。レオナ先輩のお役に立てて光栄です」
「ふん、うさんくさい笑顔うかべやがって」
この20歳理不尽すぎだ。それにあの一瞬でレオナが何をしようとしてるかなんて、汲み取る方が難しい。
しかしジャミルは気にしていないように話を進める。
「さて。まずは、対ファントム用決戦アームズ『雷霆の槍』を手に入れたいところですね」
「第６階層の格納庫に保管されている……だったか？」
「マップによれば、この近くにエレベーターがあるようですが……ああ、ありました」
「普通に考えれば、内部への侵入を防ぐために動かないだろうが……」
ピクリともしなかったエレベーター。しかし俺たちが近くに行くと、いきなり動き始めた。
「「「…………」」」
「目の前に立った瞬間に、わざとらしく扉が開きやがった。あの兄弟、俺たちを挑発してやがるな」
「こんなにタイミング良く稼働するのも怪しい。カメラでも付いてるのか？」
「今この施設は全て、オルトの支配下にある……。これは十中八九罠でしょう。危ないので、レオナ先輩は俺の後ろに……」
「さっさと行くぞ」
「えっ？ちょっと、レオナ先輩！1人で進まないでください！」
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作者名：紅葉 | 作成日時：2023年4月21日 21時
