堅牢マインド！ ページ13
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「コロシアム…！？」
鏡に吸い込まれた私は、広い広いコロシアムの幻夢を見た。
《死者の国の王ハデスです。どうも。
頼みを聞いてほしいんだよ…一日だけヒーローの仕事を休んでもらえないかな》
青い髪の男……ハデスは、コロシアムで特訓をしていた一人の男の方を持ち、そう言った。
ヒーローの仕事……彼はヒーローなのか……。
だけど、そんな大切なこと、簡単に頷けるはずがない。
《簡単に断らん方がいいぞ。こういうことになってる！》
その時、ハデスの後ろから今までの夢に出てきた、綺麗な女性が現れた。しかし、彼女は茨に囚われ、身動き出来ないからだになっている。
《じゃ取引だ！俺にパワーを預けてくれ。そしたらメグは自由の身だ。
三つ数えるうちに答えろ。ひとつ ふたつ…》
《わかった》
ハデスのカウントダウンが終わる前に、彼は要求を飲んだ。
目の前の彼女を……メグを見捨てることなど、決して出来なかったのだろう。
《よし決まった》
彼はハデスと握手を交わした。その時、彼の中にあったパワーは全てハデスに抜き取られてしまった。
脱力する彼に、ハデスは耳元で囁いた。
《よかったじゃないか。他の人間と同じになれたんだ…夢だったんだろ、長年の…》
「みんなと同じになるのが……夢……？」
たしかに、自分だけが周りと違う……そうなれば、疎まれ、蔑まされるかもしれない。
実際私がそうだった。
だけど……私の周りに、そうな人はいない。みんな私を受け止めてくれている。
あの男性には、そんな人はいなかったのか、それとも＿＿＿……
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作者名：紅葉 | 作成日時：2023年4月2日 9時
