表明ポリシー！ ページ6
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「ルークサン……」
「すまない。後悔してもしかたのないことさ。それに……私が手を差し伸べたところで、彼のオーバーブロットが避けられたかどうかはわからない。もしかしたら救えたかもしれないなどと考えるのは、とんでもない思い上がりだ。
ヴィルの怒りは、絶望は、彼だけのもの。……他のみんなもね」
たしかに彼らの負の想いは、私たちが持つことは出来ないし、軽くすることは出来ない。あくまで彼ら自身の問題。
怒りも、絶望も…………私も多分、そうなのだろう。
「ねえ。そこまで理解しているのに、なぜルーク･ハントさんはここへやってきたの？」
「私は『やれるだけのことはやった』と言うためにきたんだ」
「『やれるだけのことはやった』……？」
「ああ。他の誰のためでもない。私自身の
「……君は本当に変わった人間だね」
不思議そうに語りかけるオルトくん。ルーク先輩の答えを聞くと、再び明るい笑顔に戻った。
「今日はとても興味深いデータがとれたよ。ありがとう。それじゃあ、僕はそろそろ本部に戻らなくちゃ。ランチとディナーは12時と19時に手配したけど、時間を変更したければ、ドアの横にあるデバイスでオペレーターに連絡を。
前方スクリーンに話しかけてもらえば、バーチャルアシスタントが起動して……各種ゲームや映画などを楽しむことができるよ。暇つぶしにどうぞ」
「わっ、すごい！最新の映画まで全部入ってる」
「戸惑うほどに高待遇だね……」
ってか、これ普段誰が使ってるの？『S.T.Y.X.』の人、みんなお仕事してるんでしょ？
こんなところにお金かけるのは別にそちらでどうぞって感じだけど、用途が思いつかないんだが。
「メルシー！お気遣い感謝するよ、オルトくん」
「じゃあ、みんなの検査が終わるまでしばらく待っててね」
オルトくんはこちらに軽く手を振りながら、自動ドアを潜り、部屋を出ていった。
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作者名：紅葉 | 作成日時：2023年3月18日 11時
