▶︎ ページ27
.
Lou side
慣れないコントローラーを両手に、ヒドラを叩いていく。……イデアの言うように、のめり込む気持ちも分かるかもな、案外楽しい。
「凄い凄い!検査結果通りの高い反射神経が活かされたゲームだったね!」
「レオナ氏まではいかなくとも、このハイスコア……もしかすると猫科だけじゃなく、獣人そのものにも効果アリなのでは……?」
オルトとイデアの反応に喜んでいいものなのか……そう思いながら、俺は席を立ち、隣の彼にコントローラーを差し出す。
「次はジャミル、やるか?」
「いや……俺がプレイするより、ヴィル先輩のゲームの腕前を拝見してみたいな」
「アタシの?」
「ええ。先程からずっと見ていらっしゃるだけなので」
「アタシも普段はゲームをしないし、見ても面白いことはないわよ。でも、そうね。眺めているのも飽きてきたし、なにかやらせてもらおうかしら」
次はヴィルがプレイするということなので、俺は手の方向を彼へ変え、コントローラーを渡す。
「オルト、アタシにオススメのゲームはある?」
「待ってました!ヴィル・シェーンハイトさんには絶対コレをやってもらおうって決めてたんだ!世界的モデルで、輝くスターであるヴィルさんには……
『スター・ローグ 〜英雄ヒーローへの道〜』!」
「キターーーーー!!拙者たちのレジェンド!!!」
オルトがヴィルに薦めたゲームのタイトルにいち早く……恐ろしい速度で反応したイデア。彼のいきなりの大声は、俺たちの耳をつんざく。
「これはあるひとりの男が、本当のヒーローになるまでの物語である__」
ヤバい。絶対長くて、よく分からない話になるぞ、コレは…………。
26人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紅葉 | 作成日時:2023年3月18日 11時