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No side
げんなりするイデア、次々と要求を突きつける後輩、そんな騒がしい声にうんざりしたレオナは大きな欠伸をした。
「2、3時間なんか昼寝でもしてりゃすぐだろ。ふぁ〜あ……」
「長時間の昼寝は、体内時計を狂わせる。夜眠れなくなるわよ、レオナ」
「ご心配いただかなくても、おかげさまで寝付きだけはいいもんで」
「はぁ……アンタって、いちいちそういう物言いをしないと気がすまないの？」
わーわーと騒ぎ立てる彼らに、今日一のため息をついたイデア。そんな彼にオルトはコソッと耳打ちする。
「……兄さん。この人たちを同じ部屋に3時間収容していた場合、揉め事に発展する確率は85％以上だよ」
「可否策としてそれぞれの望むものを手配したところで、同じ空間に置いておくだけでどうあがいても揉めそう……。マルチ揉めエンド採用ってカンジ。ある程度の人数でできる、穏便な暇つぶしか……」
「あっ！ボードゲームは？プレイ人数が6名以上対応でルールが難しくない……『マジカルライフゲーム』なんか、最適じゃない？」
「待った！！すごろく系のゲームをこのメンツでやったら、サイコロの目によって煽りあいが発生し、最終的に殴り合いに発展する可能性が高い」
「そ、それは確かに。じゃあ対戦じゃなくて、簡単にやれる……」
イデアの言う通り、既にやり合いが始まりそうな雰囲気の彼らに対戦ものは火に油を注ぐのと同じ行為だ。
オルトは「あっ」と何かを思いついたように、口を開く。
「コンピューターゲームは？オンラインからゲームをダウンロードして遊べる機能なら、僕に搭載されてるよ。対戦型ゲームじゃなければ、揉め事は発生しないかも」
「え、えぇ〜……このメンツ、ゲームとか全然興味なさそう……」
「断られたら別の案を考えればいいじゃない。失敗は成功のもと！」
「いや、でも……」
「みなさーん、ちゅうもーく！」
「ち、ちょっ……オルトッ！」
イデアの静止も虚しく、オルトは睨み合いをきかせる彼らに元気よく声をかけた。彼らの話し声はピタリと止まり、同時に視線も一瞬にして集まった。
「これから約3時間同じ場所で過ごさなくてはならなくなった皆さんに、コンピューターゲームのプレイを提案しまーす！」
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作者名：紅葉 | 作成日時：2023年3月18日 11時
