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Lou side
「『S.T.Y.X.』に収容されているファントムは危険度によって12グループに分けられているんだ。そして、深い階層に収容されている被検体ほど危険度が高い。さっきアナウンスがあったAクラスの被検体は、かなり要注意な個体といえるね。
でも普段は頑丈な収容ケージの中で凍結されているから、そんなに怖がらなくて大丈夫！さらに、父さんがベースを作り、6年前に兄さんが完成させた防衛システム『ケルベロス･システム』がある。万が一の時も、安心、安全さ！」
「カイワレ大根が完成させた防衛システムだぁ？」
「逆に不安を感じるけど……」
「えーっ、なんで！？」
イデアは成績優秀ではあるが、学園であんな感じじゃ、2人からの批評がこうなるのも仕方ない。彼らの良くない反応にオルトは声を上げる。
「『ケルベロス･システム』はすごいんだよ！伝説に残る『死者の国』の番犬･ケルベロスの名を冠するにふさわしい、完成度の高さなんだから！タルタロスだけにとどまらず、この島全体のセキュリティを全てカバーしてるだけでも凄いのに、非常時には無人でも3つのブレインが議決した最善の方法で敵を……」
「あ、あ〜〜、オルト。ストップ。皆さん、そういう話ミリも興味がないと思うんで……」
たしかに機械好きな姫様はともかく、その辺りに興味がない俺たちは聞いていても正直無駄だ。
イデアは気を取り直すように咳払いをすると、扉の方へ向かう。
「ゴホン！というわけだから……諦めてこの部屋で大人しく時間潰してください……じゃ、拙者はこれで……」
「なにを勝手に話を切り上げようとしてるんですか、イデアさん。せめて暇つぶしできるものをなにか提供して欲しいという話が終わっていませんよ」
「そうね。ランニングマシーンとは言わないから、せめてヨガマットが欲しい」
「ボクとしては学習に役立つ参考書や魔導書などが望ましいけれど……」
「そういえば…昨晩提供された個室では映画が見られたんですが、ここのモニターでは見られないんですか？」
「さすがに2、3時間何もなしじゃ、こっちもキツいと思うぞ」
ラジオがダメなら、せめてウォー〇マンぐらい貸してほしい。無音はきつい、音楽聴いてたらあっという間だろ。
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作者名：紅葉 | 作成日時：2023年3月18日 11時
