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Lou side

「あー、君ら自分がオーバーブロットして周囲に迷惑かけた自覚あります?」

「もちろん。でもその件に関して、アンタ個人に迷惑をかけた覚えはない」

「いるよなァ。自分が直接被害をこうむったわけでもないのに、被害者ヅラして噛み付いてくるヤツ」

ヴィルがイデアに楯突くと、その後ろからレオナも参加する。俺から見れば完全にカツアゲにしか見えない。

「いや……オーバーブロットしたってだけでめちゃくちゃ被害こうむってますが?
何度も言うけど、こっちだってやりたくてやってるわけじゃないんだよ。おかげで推しのイベは走れてないし、オンゲの連続ログホは途切れたし……」

小さな声で呟いたあと、イデアはぶつぶつ文句を言いながら、それはそれは大きなため息をついた。

「不満ばっかり一人前の問題児どもが……。本当に、なんだってこんなときにうちの両親は揃って留守なわけ?」

「顔見知りの兄さんが対応すれば、被検体のみんながリラックスできるって考えたかもね」

「顔見知りだからこそ滅茶苦茶やりづらいの、わかるだろ普通……。他人の感情より効率を優先するとこ、マジで拙者の親ってかんじ」

たしかに、イデアも何事も効率重視の人間。それは両親からのゴリゴリの遺伝だったのか、面倒くさそうだなシュラウド家。

「移動履歴を見る限り、2人ともこの件についての調査で『黎明の国』に出向いてるみたいだけど……。この問題児どもが在籍する学園の責任者として連行された学園長の事情聴取が目的だろうな。どうせやらされるなら、そっちの仕事を僕にやらせてほしかったですわ」

「でも兄さんのお友だちが家に来るなんて、初めてのことだよね。僕は嬉しいけどな」

「は?ト、トモダチ……?」

“友だち”というワードに、イデアは固まる。基本イデアは引きこもりだし、マトモに友だちって呼べる奴いるのか?

「うん。僕らは経験したことがないけど……アニメやドラマでは、同級生や部活の友だちがお互いの家に行く展開はよく見るよ。
きっと“家に友人を招く”という行為は、普通の人間(ヒト)にとってよくあるコミュニケーションなんでしょう?」

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作者名:紅葉 | 作成日時:2023年3月18日 11時

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