渋滞コンプレイン！ ページ12
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Lou side
……騒がしい。
数分前から俺たちの待機部屋は、5人の生徒たちが騒ぐ幼稚園と化していた。こいつら本当に高校生だよな？
すると騒ぎを聞き付けたのか、現市長代理のイデアがオルトを連れてやって来た。
「あら、ようやく所長代理御一行様がおでましね。従順に検査を終えた被検体に、ねぎらいのお言葉でもいただけるのかしら？」
辛辣なヴィルに続き、彼らは次々と個人の文句を彼にぶつける。
「おい、カイワレ大根。なんなんだよあの粉っぽい保存食と缶詰だけのメシは。学園の食堂の安っぽいステーキが三ツ星レストランに思えるぜ」
「同感です。栄養バランスは完璧なようですが、味や食感がおざなりなのはいただけない。……ああ、もしあれが嘆きの島の伝統料理だったとしたら失言をお詫びします」
「イデア先輩ッ！今すぐ紅茶の支給を要求します！ハートの女王の法律･第339条『食後の紅茶は必ず角砂糖を2つ入れたレモンティーでなければならない』。ここでは学外ですが、ハーツラビュル寮長として守れる法律ルールは守りたいんです」
「イデアさん。自由にインターネットを使わせろとは言いませんが、せめて朝刊と夕刊くらいは読ませてください。できるだけ世界情勢や経済関係情報が豊富な新聞をお願いします。投資に必須ですから」
「まあでも、ちょっとした娯楽ぐらいは欲しいかもな」
だいぶ面倒くさい個人的な要求。たしかに職員じゃ手に追えないよな、俺が同じ立場でもすぐにここから離れたいと思う。
「ギャーギャーギャーギャー……ここは動物園か？君たち、また自分の立場を忘れてるだろ。何度も言わないでくれるかなぁ……。僕が！！！！ボスだ！！！！！」
イデアは学校では絶対に出さないような大声で叫ぶ。しかし、この問題児たちの前でそれは無意味だった。
「それじゃあ言わせてもらうけど、ボス。無理やり連れてきたアタシたちの面倒をちゃんと見るのも、ボスの役目なんじゃない？こっちはアンタたち『S.T.Y.X.』の掲げる『魔法士の安全な暮らしと活動を守るための活動』に無償でデータを提供して貢献してあげてるのよ。なにかご褒美があるべきよね」
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作者名：紅葉 | 作成日時：2023年3月18日 11時
