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No side

「大方シュウ氏との事で色々あったんだと思うよ。ルウ氏が変わり得るのって、そこぐらいしかないし」

「でもルウさんの魔力量は非常に多いね。この能力だと、基本は最後尾で弱い敵キャラを倒して、いざとなったら爆弾になる“切り札”的ジョブになるのかな?」

「たしかに。まあでも、この能力だったら、基本どこでも担当できそう」

オールラウンダーなルウの魔法能力。他の5人のように、パッとした特徴はないものの、だからこそどんな時にでも対応しうる、ルウの性格も出ている。

「ふふっ。誰が実装されてもジョブレベルを上げるのが楽しいゲームになりそう」

「RPGゲーム『ナイトレイブン・クエスト』……ヒヒッ、悪くないかもね」

「いいな!そのゲーム、僕やってみたい。オープンワールドでさ、まず最小に7つの国があって……」

「いやいや、オープンワールドって。内輪向けネタなのに、開発コスト高すぎか?64kbのカセットロムなら考えてもいいけど」

「えー、兄さんならサクッと作れちゃいそうだけどな」

「まあね。でもめんどくさいからやんない」

3人のデータをモニターから消したイデアに、オルトは静かに提案した。

「……ねえ兄さん、今度マッスル紅さんとやってるMMORPGに他の寮長さんたちを誘ってみたら?」

「えっ!?いや、無理無理。急にどうした?ゲームなんて興味ないメンツばっかりでしょ」

いつもはオルトの提案を決して無下にはしないイデアだが、今回のものは即否定。
そして、瞼を下げて言う。

「…………それに、『S.T.Y.X.』に関わった人間は、例外なく『レテの河』を通る。『レテの河』は、記憶からもデータからも、僕たちの存在を消すことができるシステム」

「…………」

「外界の“生きてる人間(ヒト)”と親睦を深めようなんて、考えるだけ無駄だよ。





……どうせ、いずれ全部なかったことになるんだから」

オルトは暗い影のイデアを心配そうに見つめ、彼と同じように肩を落とす。







「………………」


そんな兄弟を見つめていたのは、赤い目をした、一体のカローンだった。

覚醒ロンリネス!→←▶︎



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作者名:紅葉 | 作成日時:2023年2月26日 11時

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