憂鬱ミーティング！ ページ18
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Lou side
数時間前、“被検体”として連れてこられた俺たちはここの職員とイデアの指示の元、『S.T.Y.X』指定の服に着替えた。
全身灰色のスーツとパンツ。更には首に謎のチョーカー。これには、あの世界的スーパータレントが黙っているはずもなく……。
「ちょっとイデア！さっきのはどういうこと！？アタシ、これでも世界的モデルなのよ。自分の肌に触れるものにはすべてこだわりがあるの。それを、フルオートの洗浄マシンで丸洗いってどういうこと？しかも、化粧水の用意すらないなんて！美肌を保つためには、洗顔後のケアが一番大切なのに」
口々に出す文句の数々にイデアは、知らないと言うふうにため息をついた。
「……洗車機に入れられた車の気分が分かった」
「乾燥機にかけられるシーツの気持ちもね……」
ヴィルに続いてやってきたのは、疲れた様子のリドルとジャミル。……まあ、あのとんでもシャワー(シャワーと言っていいかも怪しい)を浴びたらそんな反応になるのも無理はない。
「口どころか耳の中まで現れたぞ……まだ体中の毛が逆立ってるぜ」
「僕は何事も効率重視なタイプですが……将来どれだけ忙しくなっても、全自動入浴マシンだけは一生導入しないと今決めました」
「えー？研究員のみんなには『入浴がすぐ済んで効率的』って好評なんだけどなあ」
「そりゃあここに住んでる奴らは感覚が違うだろうな」
ここで生まれ育ったんなら、これが常識なんだな、きっと。外の世界の風呂に入ったら30秒ぐらいで出てくる。
「チッ……なにより、腹がたつのはこの首輪だ」
「このチョーカー……ボクのユニーク魔法、『
「ごめんね。そのチョーカーは正確なデータ収集のために館内ではつけてもらわないといけない決まりなんだ」
「ていうかリドル氏、魔法使おうとしてたんかい。油断も隙もないとはこのことですわ……」
軽く指を鳴らしてみるが、イメージした魔法が微塵も使えない。なるほど、俺たちは被検体なわけだから、魔法封じは当たり前か。
「……ゴホン。では、みなさんが外界から持ち込んだ雑菌の洗浄が済んだところで……」
「おい」
「まずは自己紹介がてら、我が『
……こいつ、無視しやがった。
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作者名：紅葉 | 作成日時：2023年2月26日 11時
