開封アビリティ! ページ14
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「ルークサンの、ユニーク魔法!?」
「私のユニーク魔法は相手を傷つけることも、操ることもできない。とても弱い魔法だ。でも……狩人である私には、なくてはならない魔法なのさ」
「どんな魔法なんですか?」
よく分からないままルーク先輩に尋ねると、彼はこう答えた。
「私のユニーク魔法は、魔法をかけた相手の居場所を突き止めることができるんだ。それがたとえ7つの輝く丘の彼方、7つの滝の向こう……世界の果てであろうともね」
「おろ〜…………ルークサンが使えるど思うど、おっかね魔法だな……」
「う〜ん……ルーク先輩っぽいって言ったら、ぽい魔法だけど……」
どんな場所に隠れても、この人にユニーク魔法を使われれば、一発で場所がわかってしまうのか……。今までたくさんのユニーク魔法を見てきたけど、恐ろしさで言えばトップにくい込んでくるよね……。
「ヴィルたちが攫われた時、とっさにカローンの1人に私の魔法をかけておいたのさ」
「すげ、なんも気づかねがった!」
「ふふ。それでは…………僭越ながらお披露目といこう」
ルーク先輩は夜空を見上げると、マジカルペンを取り出し、呪文を唱えた。
「ほら、私から逃げきってみせて。『
ルーク先輩の魔法により生まれた、白い光は北西の方角に進み、空中を少し舞うと消えてしまった。
「……やはりか」
「どうしたんですか?」
「この世界にいればどこにいてもわかる……と言ったけれど、この魔法も万能ではない。対象が魔法を遮断する乗り物や施設に入った場合、道標は途切れてしまう。カローンたちがヴィルたちを輸送に用いたのは、装甲で魔法を遮断する魔導ステルス機だったようだ」
「……カローンが着ていた防具、魔法を弾いていたように見えました。その素材が、みんなを連れ去った輸送機なんかにも使われていたとしたら…………」
「えっ!じゃあ、ルークサンのユニーク魔法でも追跡は不可能ってこと……かな?」
「いいや。いかに魔導ステルス機と言えど完全に魔力をシャットアウトすることは不可能。
ステルス機は自らレーダーや魔法を発する際、ごく短時間そのステルス性を捨てざるを得ない。その一瞬……私には“視える”のさ。私がユニーク魔法で獲物につけた印がね。
ぽつり、ぽつり……まるで森で彷徨うか弱き姫君が残した、可憐な足跡のように」
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作者名:紅葉 | 作成日時:2023年2月26日 11時