奮励トライアングル！ ページ11
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「怒っているのは、キミたちに宿る奮励の魂を見くびっていた私自身に対してだ」
そう言ったあと、ルーク先輩は目を伏せた。
「『心から自分の力を、仲間の力を信じた者が強い』……ＶＤＣでそう言ったのは私なのに。それなのに、私はなにも話さず、キミたちを置いて1人で旅立ってしまった。
エペルくん、ユウくん。自分の心に素直になれるキミたちは、強く美しい。それらしい理由を重ねて、自分の心をごまかそうとしていたことが恥ずかしいよ」
「どういうこと……ですか？」
「私も同じさ、エペルくん。本当は愛する友人が傷つけられ、居ても立ってもいられなくなっただけなんだ。こんな自分勝手な行動に、先生や友人を巻き込むわけにはいかない。そう思っていた。でも……」
「それこそ今更じゃないですか？もうとくに巻き込まれまくってます」
エペルがいたずらっ子のような顔でそう言うと、ルーク先輩は微笑んだ。
「そうだね。……いいよ、共に行こうじゃないか。エペルくん。ユウくん」
「「！！」」
「ただし、2人とも絶対に私の指示には従うこと。約束できるね？」
「おう！！……いや、はいっ！」
「オーキードーキー！」
条件付き(当たり前)でルーク先輩からお許しが出たということで、エペルと2人で顔を見合せて笑った。
「へへっ、やったな」
「執念の勝利！」
「私やエペルくんは、猪突猛進になって周りが見えなくなりがちだからね。いつでも物事を俯瞰できるキミの目線は、きっと我々の助けになるだろう」
「そ、うですかね……？」
自分ではそんな目線持ってる感じはしないんですけどね。あれか、いつも通りでいろというルーク先輩からの深読みメッセージ……！？
私がうんうん考えていると、エペルは首を傾げて言う。
「ルークサンが周りが見えなくなってるところなんか、見たことない気がするけど……猪突猛進ってところだけは、ちょっと納得、かな？」
「そんなことはないよ。さっき鏡舎でも、周りが見えていなくてキミにぶつかってしまったじゃないか」
「あはっ。そういえばそうですね。というか、ポムフィオーレの人たちって……ヴィルサンも含めて、みんな見た目に似合わず猪突猛進な人が多い……かも」
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作者名：紅葉 | 作成日時：2023年2月26日 11時
