愛され方を忘れた少女第九幕【ツイステ】 (ページ36)

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「そこ！隊列が乱れてるぞ」

「ひぃ、ハァ……少し休憩させてくれ～」

「大丈夫？抱っこしよっか？」

「甘えるな！さあ、進め！この程度で音をあげるのは日頃の鍛錬が足りていない証拠だ！昨日までの自分を恨むんだな」

グリムを抱きあげようとすると、頭上からカリム先輩の声が聞こえ、チラリと上を見ると鋭い目つきでこちらを睨んでいた。すっかり萎縮してしまったグリムは、再び歩き始める。

「…………」

「…？」

その時、ジャミル先輩の口角が上がっていた気がした。

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「ペースが落ちてきたぞ！もっと足を上げろ！」

しばらく歩いたところで、みんなには疲労の表情が伺えた。まだ朝ごはんも摂ってないから、力が出ないのだろう。

「そ、そんな…もう無理です…！」

「貴様…そんな体たらくだから試験もマジフト大会も最下位になるんだ！」

さすがに10キロは長すぎる…！ランナーじゃないんだし、そもそもこれとテストやマジフトは関係ない気がする。

「暑い～！水をくれ～！干からびちまうんだゾ～！」

「オアシスまであと少しだ。頑張れ」

「……はい……！」

ジャミル先輩の言った通り、また少し歩いた先には青いオアシスが見えた。
やっと目的の地に到着した私達は、一気に腰を下ろした。