牢獄コーリング！ ページ32
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スカラビア寮をぐるぐる逃げ回るが、寮生達はここの構造を熟知しているため逃げ切ることは叶わず、結局二人揃って捕まってしまった。
「大人しくお縄につけ、灰色のドブネズミめ！」
「オレ様は灰色だけどドブネズミじゃねぇ！離せ〜〜！」
「ええい、暴れるな！早く部屋に戻るんだ！」
「……」
いくらなんでも部屋から1歩も出れないなんておかしい。トイレも行けないし、簡単に水も飲みに行けない。この制度はなにが目的なの…？
「さっさと部屋に入れ！手こずらせやがって」
「いででで！首根っこ掴んで引きずるんじゃねぇんだゾ！」
グリムを捕まえた寮生は彼の首根っこを掴んで、部屋の中へ入るとそのまま投げ捨てた。
「見張り担当者がこいつらの部屋の鍵を締め忘れたようだな」
「まったく……今度は忘れず鍵をかけておけ！もし逃げ出したヤツがいたなんて寮長に知れたら俺たちがどんな目に合わされるか……」
「そうだな……」
「次に抜け出そうとしたら、タダじゃおかないからな！」
「ちょっと！さっきのは、どう考えても悪いのは私達じゃないでしょ！」
そんなこと言われる筋合いはないんですよ！そう言うも、無慈悲にも扉は閉まり、今度はしっかりと鍵をかけられた。
「こらーーーっ出せ〜〜〜！」
グリムがドアをガンガン叩いたり、開けようとしたりするが、それは無駄で一向にドアはあかない。
「ドアがびくともしねぇ。鍵をかけられちまったんだゾ」
「私達を絶対に出さないつもりか。これじゃまるで囚人だよ……」
「マジでその通りなんだゾ。朝になったらジャミルに文句言ってやる！」
「2人で一発キメてやろうぜ」
ぐぬぬ……学園のキッチンから直接来たからバズーカもショットガンも持ってねぇ…。今回はさすがにないと思ってエースらの喧嘩終止符用の手榴弾も所持してないし……。
「あっ、そうだ。ユウ、学園長にすまほ？って便利アイテムをもらったんだろ？それでアイツにスカラビアのことチクッてやるんだゾ！」
「はっ！そっか！」
ポケットに突っ込んでおいたスマホを手にし、学園長の電話番号にかける。
『はい、クロウリーです』
「オイ、学園長！オメーがいない間に、こっちは大変なことになってんだゾ！」
学園長が電話に出た瞬間、グリムは文句を言い始める。しかしその後に聞こえた学園長の言葉に、耳を疑った。
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作者名：紅葉 | 作成日時：2022年9月5日 19時
