仰天スパークル！ ページ21
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「よーし、特訓は終わり！」
寮の中にある噴水近くで防衛特訓に励んでいた私達は、カリム先輩の号令にその場に座り込む。
「づ、づがれた……」
慣れてない気温ってこともあるけど、意外にビシバシ指導だったら余計に疲労が溜まった。
「お疲れ、ユウ。さ、行こうぜ！」
「えっ」
私と私の膝の上でぐでんとなっているグリムを引っ張り、カリム先輩は寮の中へと向かっていく。
「おい、今日の課題はまだ…………………はぁ」
＿＿＿
＿＿
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寮の廊下は正に『絢爛』という言葉が合う。照明、壁、柱……至る所に金が使われており、床に敷かれる赤い絨毯は上品な高級感を醸し出す。
「ほぁ〜この寮、どこ見ても金ピカで豪華で……オンボロ寮とは大違いなんだゾ」
「やめるんだ、グリム。これ以上は私のライフゲージが減るぞ」
なんだかんだ自分の寮に愛着がありますからねっ！
「そんなに驚くほどか？確かにオレが入学した時、とーちゃんが学園に少し寄付して寮を綺麗に改装させたって言ってたけど……」
「どんだけ大金持ちなんだゾ！オメー、もしかして、レオナと同じ王子様か！？」
「アジーム家は王族じゃないから、オレは王子じゃないぜ。親戚筋には王族もいるけどな」
「あじーむ……？オマエの名前って、アルアジームじゃなかったか？」
あっ、言われてみれば……。なんで苗字は『アル』を抜くんだろ。
「熱砂の国の古い言葉で『アル』は『息子』を意味する。そんで、家を興した祖先の名前を家名にして……以降生まれた男児は全員『その息子』って名乗ることがあるんだ。
オレの場合、『アジーム』がご先祖さまの名前で『アル』が息子って意味だから……カリム・アルアジームは『アジームさん家の息子 カリムくん』って意味になるな」
「ほへぇ……名前の由来なんて考えたこともなかったんだゾ」
「馴染みがないからちょっと難しかったか？ま、カリムでいいって！」
「いろんな国出身の生徒がたくさんいるんですね」
「いつか熱砂の国のオレんちにも遊びに来いよ！めいっぱいもてなすぜ」
……多分、私たちが思ってる以上に、めいっぱいおもてなししてくれるんだろうなぁ。
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作者名：紅葉 | 作成日時：2022年9月5日 19時
