愛され方を忘れた少女第八幕【ツイステ】 (ページ12)

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夜。お風呂を済ませた私が部屋に戻ると、既にグリムは寝落ちており、豪快な寝言を立てていた。

「ほぁ～……でっけぇ魚……こんなに食べきれねぇんだゾ～……ぷしゅるる……むにゃむにゃ……」

「ふふっ。さて、今日は疲れたし、私も寝よっと」

温かい布団の中に身を入れようとすると、突然、鏡が白く光り出した。

「鏡が、光ってる……？」

夢と同じような光景に、私はゆっくりと鏡に近づく。
一度光が収まったかと思うと、続いて鈍い光を放ち出した。

『……の、……かい？』

「ぇ………」

すると軽いノックに続き、鏡の奥から誰かの声が聞こえてきた。

『そこに……誰かいるの？』

影だけが見えた。大きな耳を持った、動物のような影。

目の前の光景に呆然としていると、鏡は一瞬強く光り、いつも通りの姿へと戻った。

「鏡から声が……？今のは一体……？」

言葉が出ない状況に、私はしばらくの間、そこでじっと佇んでいた。