愛され方を忘れた少女【ツイステ】 (ページ6)

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静粛ブレイク！ページ6

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しばらく歩くと、私が起きた大きな部屋に出た。『鏡の間』と呼ばれている。さっきまで誰もいなかったのに、数百人くらいの人が集まっている。
そしてすぐに、ある違和感に気づいた。

女の子がいない？とすると、もしかしてここは、男子校…？
だとしたら、益々私がここに呼ばれた意味が分からない。
私はフードをさっと被り、顔を隠す。

「それにしても、学園長はどこに行っちゃったのかしら？式の途中で飛び出して行っちゃったけど……」

「職務放棄………」

「腹でも痛めたんじゃないか？」

部屋に入ってすぐにそんな声が聞こえた。だいぶ散々言われてる。
なんか、学園長……ドンマイです。

「まったくもう。新入生が1人足りないので探しに行っていたんです。さあ、寮分けがまだなのは君だけですよ。狸くんは私が預かっておきますから、早く闇の鏡の前へ」

「ふぐぐー！！！」

叫び声を上げるグリムに一瞬目を送ったが、私は歩いて大きな鏡の前に立つ。
すると、鏡面から緑色の焔が映り、仮面っぽい………というか仮面の姿が現れる。

【汝の名を告げよ】

「ユウ…………ホワイトです」

さっきの学園長との会話を思い出した私。多分こっちの世界では、日本式の名前は使われていない。
名前はそのままで良いとして、白雪はさすがにバリバリ日本人なので白をとってホワイトと名乗った。

【ユウ……汝の魂のかたちは………】

さっきも思ったが、この仮面、めちゃくちゃ声が低い。結果は分かっているはずなのに変な緊張感が走り、心臓の鼓動が早くなるのを感じる。

長い沈黙の後、次のように鏡は告げた。

【………………わからぬ】

「なんですって？」

【この者からは魔力の波長が一切感じられない……色も、形も、一切の無である。よって、どの寮にもふさわしくない！】

その言葉に周囲が騒めく。
でもそんなの当たり前だ。私は魔法が使えないどころかこの世界の人間ではない。この学園に来た意味すら分からないのだ。

「魔法が使えない人間を黒き馬車が迎えに行くなんてありえない！生徒選定の手違いなどこの100年ただの一度も無かったはず。一体なぜ……」

もういっそのこと、ここで言った方がいいのかな？私は違う世界の人間ですって。
でもそうしたら、周りの人、益々混乱しちゃうしな……。

「もごもご…ぷはっ！だったらその席、オレ様に譲るんだゾ！」

「あっ待ちなさい！この狸！」

唸る私の隣では、グリムが動揺する学園長の隙を突いて、高速から逃れた。