愛され方を忘れた少女【ツイステ】 (ページ30)

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罰則エスケイプ！ページ30

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「あ、いた！」

鏡舎に着くと、寮に繋がる魔法の鏡に入ろうとするエースを見つけた。
私の声に気づいたエースは、一目散に逃げ出す。

エースを追う途中「オレ様だってサボリたいんだゾ！」と言ったグリムに貴方が言える立場じゃないでしょ…と思いながら、エースを追いかける。

丁度その時、寮へ帰ろうとした青い髪の少年が目を丸くしていた。

「どいたどいた！」

「えっ、お、おうっ！？」

するとそこに丁度寮へ帰ろうとしているらしき、紺色の髪の少年が、エースの前に立っていた。

「捕まえて！その人、掃除をサボる悪い人です！」

「人を捕まえる魔法！？足を止める、いや、縄で拘束する？それとも………えぇっと……」

「何でもいいからぶちかますんだゾ！早く！」

真面目に悩んでいる少年に痺れを切らしたグリムがそう叫んだ。

「何でも！？なんでも、なん……ええい！何でもいいから、いでよ！重たいもの！」

ガッシャーン！と少年が魔法を使った瞬間、激しい音と共にエースの頭上から何かが落ちてきた。

「ぐえぇっ！ナンダコレ！？鍋！？」

「ぎゃははは！見てみろ、ユウ！エースのヤツ、でっけえ釜の下敷きになってペッタンコになってるんだゾ！だっせーゾ！」

「さすがにちょっとヤバい気が…」

大丈夫かな？と思い、エースをのぞき込むと、ずりずりと這いずっているで、なんとか生きてるんだと安堵のため息をついた。
その様子を見て、大釜を召喚した張本人は驚いたような、気まづそうな表情でいた。

「まさか大釜が出るとは。ちょっとやりすぎたか……？」

「あたたた………いーじゃんかよ。窓拭き100枚くらいパパッとやっといてくれたってさー」

「流石に2人で100枚は無理。単純計算でやっても1人50枚なんだから。それにこれは学園長命令だよ、忘れたの？」

「ちぇ……」

「罰で窓拭き100枚って……一体君たちは何をやったんだ？」

私は今朝、エースとグリムが喧嘩をして、その巻き添えになったハートの女王の話をした。

「グレート･セブンの石像に傷をつけたのか！？それは怒られるに決まってるだろう。せっかく名門校に入学できたっていうのに初日から何をしてるんだか……」

ほんとにですよ、うん。
私の思ってることを口に出してくれる彼のことを真面目なんだな〜と思いながら聞いていた。