愛され方を忘れた少女【ツイステ】 (ページ29)

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百裂ウインドウ！ページ29

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「1日中掃除してもうクタクタなんだゾ～……それなのに、これから窓拭き100枚なんて……」

「しょうがないよ。あの場に学園長が来なくても、周りに野次馬はたくさんいたし、結局バレてたし」

この学園の大食堂はとても広い。そういや引き取られた家にもこんな豪邸あったなぁ。
どっちにしろ、100枚窓拭きをするとなると、かなりの時間がかかる。

「それにしてもあのエースってヤツ、遅いんだゾ。オレ様を待たせるとはいい度胸だな！イライラ！」

私達と同じように罰を言い渡されたエースだが、一向にその姿を見せない。
この学園の仕様は知らないが、大体どの学校も最初はオリエンテーションぐらいで忙しいものは何もないんじゃないのかな？

あれからしばらく待ってみたが、エースは来ない。

「………………………いくらなんでも遅すぎるんだゾ！？」

「完璧に逃げたね、どっちが幼稚園生なんだか」

「罰をオレ様たちだけに任せて逃げるなんて許さないんだゾ！」

グリムと共に食堂を出て、エースの在籍している1－Aの教室に入る。中は人っ子一人いない、まさにもぬけの殻状態だ。

「もう授業が終わって大分経ってるし、いないのは当たり前か…」

「クソ～、アイツ一体どこに……」

「＿＿＿誰かお探しかい？」

突然声をかけられきょろきょろと見渡すも誰もいない。グリムと一緒に首を傾げると「こっちこっち」と呼ばれ首を動かし振り返ると、そこにあったのは一枚の肖像画。

「こんにちは、可愛らしいお嬢さんとモンスターくん」

「ふぎゃーーー！！！絵がしゃべった！？」

「お化けなんですか、喋る肖像画は夜中にしか出てきちゃいないでしょ！？暗黙のルールでしょ！！」

「なんだい？しゃべる絵画なんかこの学校じゃ珍しくないだろう？あっちの壁の貴婦人も、こっちの壁の紳士もみんなおしゃべりするよ」

たしかに言われてみれば、ここは魔法学校。喋る肖像画は私達の世界では学校の七不思議的なものでも、こっちの世界では普通なのかもしれない。

「あ、ごめんなさい。えと、エース・トラッポラっていう子を探しているんですけど、どこに行ったか知りませんか？」

「ああ、知っているとも。彼なら少し前に寮へ戻っていったようだけど……」

「にゃに～！あの野郎やぱり逃げやがったんだゾ！どっちに行ったかわかるか！？」

「寮への扉は東校舎の奥さ」

東校舎か、よし覚えた！
肖像画にお礼を言って、私達は鏡舎へと向かった。