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「……それにデュースに関しては、ただ私達の問題に巻き込まれただけなんです。彼は何もしていない、真面目に手伝いをしてくれようとしただけなんです」
「お前……」
そうだ、全部全部私の責任だ。
私が全部背負いこめば、丸く収まる。
あの2人はこれからの学校生活をきっとたくさんの人に応援してもらっただろう。
それこそ、“家族”から。
私みたいな約立たずより、彼らの方がずっと大事にすべき存在だ。
__なにより、また不幸な人を増やすわけにはいかない。
「本当になんでもします。雑用でもタダ働きでも借金でも。
__私が、します」
そう、学園長に伝えた。彼の顔は無表情から変わることなく、顎に手を置いて「一つだけ」と呟いた。
「このシャンデリアに使われた魔法石はドワーフ鉱山で採掘されたもの。同じ性質を持つ魔法石が手に入れば修復可能かもしれません」
「じゃあ、私が行ってきます」
「「えっ!?」」
私はクルっと皆に背を向けて歩き出した。
「待ちなさい!ドワーフ鉱山は閉山してしばらく経ちますし、魔法石が全て掘り尽くされてしまっている可能性も高い。それにあなたは魔法が使えないでしょう!?」
私は進めていた足を止め、学園長の方を向く。
「力がないから、全てを諦めるんですか?」
学園長を含め、エースとデュースも黙ったままだ。
「責任は背負うものだと私は認識しています。そして取ることも。でしたら、できるできないという選択肢は初めから存在しません。
やるか、やらないか、です」
久しぶりにこんな声を出した。いや、変声機ついてるから、自分の声じゃないんだけどね。
「……幸いなことに僕は諦めが悪い
軽くお辞儀をすると、再び大食堂の出入口に足を進める。
「ちょっと待ったー!」
今度は何?首だけ後ろを振り返ると、グリムを小脇に抱えたエースとデュースが立っていた。
「学園長、僕も行きます!」
「俺も」
彼らは自分もと名乗り上げた。もちろん私と学園長は困惑する。
「魔法使えない奴を1人でいかせると危険不可避だし、こっちもいい気分じゃないんすよ」
「それにシャンデリアを壊すきっかけを作ったのは僕です」
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作者名:紅葉 | 作成日時:2022年5月11日 22時