【ヒロアカ】キスミーベイビー【爆豪勝己、轟焦凍】 (ページ4)

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名残惜しそうに手を振る兄を横目に

普通科の校舎に向かう
クラスを確認し教室に入り自分の席につく

隣を見ると、面倒くさそうな顔をした男の子と目が合った

(寝不足…？なのかな？)

目の下にはクマがくっきりと

『あ、は、はじめまして…』

ペコリと会釈してみる

「あぁ」

口数は少ないが、会釈をかえしてくれる

『私、(名字)A
よろしくね』

「…心操人使、よろしく」

少し気まずい自己紹介を終えると、
待ってたかのようにクラスメイトの女の子が私に話しかけてくれた

初日は特に代わり映えなく終わり、帰路

(何人かお友達も出来たし、なかなかいいスタートだったなぁ)

自己紹介だけは気を付けてよかったー
と思いながら歩く

自己紹介で
出身中学、名前、個性を言うのだが
『キスミー』のことは家族以外知らない

表向きには『コピー』と言っているのだ

『個性はコピーですが、うまくコントロール出来ないので、あまり使い物になりません』

そう言っておけば当たり障りないのだ

それより、隣の席のクマが酷い…心操くん？

「個性は洗脳です」
って言ってたなぁ…

クラスがざわついたのを覚えている

「えー怖いー」「ヴィラン向きだよね…」などと聞こえそうな聞こえなさそうなコソコソ話が聞こえてきた

私でも聞こえるんだから心操くんにも聞こえてるよね…

すこし悲しそうな無表情の彼を横目に見ることしか出来なかった

「Aーー！」

名前を呼ばれ、振り返ると全力疾走でこっちに向かう兄の姿が見えた
千切れそうなほど手を振っている

「Aの教室行ったらもう帰ってたからさー
めっちゃ走ったよ！」

息を切らしながらいう兄

『普通科まで来たの？ジロジロみられなかった？』

「いや、みんなまだヒーロー科とか普通科とかわからないみたいだから平気だった。

それより、変な男に変なこととかされなかったか？
連絡先聞かれたりとかしたらお兄ちゃんが消してあげるからね」

いきなりブラックな顔になる兄

『え、いないよ
ってかそんな物好きいないよ』

お兄ちゃんは、少し複雑そうな顔をして、そしてまたすぐにいつもの笑顔に戻り

「晩飯の材料買って帰ろうか」

そう言って私の頭をくしゃりと撫でた