この世界で生きていく (ページ14)

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【第十三夜】ページ14

「ん………」

目を開けたら私の部屋の天井が見えた
酷く体が怠い
ゆっくりと体を起こすと横から声をかけられた

神田「起きたか」

「うわっ神田！？」

神田「以外に誰がいんだよ」

「あ、いや、うん」

寝起きのせいかうまく頭がまわらない
なんで私寝てたんだっけ…それに腕にも違和感が…
違和感、が…

「なにこれ」

両腕に白いブレスレットがついていた

神田「イノセンス」

「え」

神田「イノセンスだ」

ぶっきらぼうにそれだけ繰り返す
段々と思考がクリアになってきた

「ああ、うん。触ったね。私触ったね。てことあれか、これがシンクロってやつか、まじかぁやっちまったなぁどうすんだよ！」

神田「お前。そっちのが素だろ」

「あ」

寝起きと重なって敬語(キャラ)が抜けてた

「ひ、秘密でお願いします…」

ベットの上で頭を下げる
他から見ると多分シュール

神田「言わねェよ、得しねえだろ」

「あ、そっか」

ん？そうなのか？
どっちかっていうとコレ弱みって部類じゃ

神田「コムイ呼んでくる」

「あ、うん」

そういって神田は部屋を出て行った
やっぱり右目だけ…蓮の花が見える…
暫くするとそれも消え慌てたような足音が聞こえコムイがすっ飛んできた

コムイ「Aちゃぁぁぁぁん！大丈夫だったかい！？」

「え、あ、はい」

コムイ「実は」

急に真面目トーンになるんだから怖いよね
スイッチ入る辺りやっぱトップなんだなって痛感する

「これですよね」

腕を少し動かす

コムイ「うん、もうわかってるかと思うけどそれは装備型のイノセンスだ。そのイノセンスが適合した事により君もこれからエクソシストとして扱われる」

「そう、ですよね。まあ元より何かあれば教団に入れと師匠には教えられましたし」

コムイ「どうする？今この事を知っているのは僕とリーバー班長と神田くんだけだ」

「出来れば、みんなには黙っていて欲しい、ですかね」

コムイ「うん。わかった。何かあったら言ってね僕たちは全力で支えるから」

「ありがとうございます」

そして私は教団でやはりエクソシストとして過ごすようになった
まだみんなには言っていないけど
この世界での居場所は元よりなかった
あそこだって師匠の知り合いの家を勝手に借りてただけだし
ならここに全てを賭けてもいいんじゃないかと思った