無色の詩姫【イナオリ】第五章 (ページ8)

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〇迷ったページ8

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みんなが特訓が終わると休憩の声がかかる。

詩音はつくしに着いてきてもらって御手洗を済ませた。が外に出た時に気がつく。

『(……フィールド、どっちだろう？)』

つくしに待っていてもらえば良かった、と後悔する反面仕方ないと腹を括る自分もいる。ここで悔やんでいてもどうにもならないので、とりあえず適当に進んでみる。

光が見えた、もしかしたらフィールドか？

そんな淡い期待を抱いて進むと……フィールドが見えた。が、どういう訳か観客席の入口にいるらしい。

さて、どうフィールドに行こうか。

そう悩んでいると人影を見つけた。
近づくと見えたのは青い髪。

『光さん』

「うわっ……詩音さんか。びっくりした」

『なんかすみません』

いえ、と言った一星だが、いきなり現れた詩音にかなり驚いた。自分一人しかいないと思っていたから、まぁ当然の反応だろう。

それよりも……

「詩音さんはなぜここに？」

『フィールドに行こうと思ったら、ここに来ました』

さもなんともないように言う詩音に、一星はあぁ……となった。そういえば、思い出す。

「詩音さん、ロシアに来てから迷うの初めてですか？」

『そう……ですね。はい』

「前にこの辺来たことあるんですか？」

確かあると思います。となんとも曖昧な返事をした彼女。

『光さんはここでなにを？』

「あぁ、少し皆さんの様子を見ようかなって……」

その目線の先では稲森、野坂、灰崎の3人が【ラストリゾート】の練習をしている姿が見えていた。