〇推測 ページ44
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『……(もう少し)』
「詩音！！」
『……』
勝負は1度きりだ。野坂の言う通り、能力のある不動や氷浦が避けることが出来なかった地雷。しかも、正体が定かじゃない分避けられる見込みは10パーセントもないだろう。
だけど、どこかで彼らなら、ネイビーインベーダーの兵士になら、勝てる気がしていた。
普段だったら絶対に信じない非論理的思考だ。
でも、ここで打開策を導くために爆発の起動源を探る。詩音ははじめて何かをしたいと思えた気がした。
この気持ちは大事にしないといけないと、日々のジャパンを見ると思う。
両隣の選手に押し込まれる少し前のタイミングで地面に強くボールをぶつけた。
詩音の推測が当たりであれば、地雷はおそらく―――
『っ！！これ―――』
爆発した。
詩音が蹴ったボールが地面にバウンドする前にある地点で爆発を起こした。
「詩音！」
『……［Ebony Wind］』
黒い風が地面スレスレに空気の層を作った。背中から落ちそうだった詩音は何とか層のお陰で無事だった。
ゴール前にいた円堂すらも駆け寄ってきた。地面に腰をついていた詩音に一星が手を差し出した。
「無事でよかったです……！」
「お前にしては無茶だったんじゃないか？」
『分かりました』
「「「え？」」」
話の脈略が全くなっていない。
詩音の言葉に肯定を示したのは野坂とアフロディ。
「ああ。詩音ちゃんのおかげで僕にも見えた」
「アフロディさんも気づいたんですね、地雷の正体に」
『反撃、ですね』
地雷に気づいた3人は真っ直ぐに相手陣地を見据えた。
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作者名：おまんじゅう | 作成日時：2023年12月12日 23時
