無色の詩姫【イナオリ】第五章 (ページ40)

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〇地雷原ページ40

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「好きにさせるかよ！」

不動が上がると、コブラたちがフィールド上を縦横無尽に駆け回った。

一通り作業が終わったらしい彼らはは通ってくれと言わんばかりにゴール前に道を開ける。

「ふん、なんだか知らねえが、なめた真似しやがって！」

アフロディや円堂の制止は彼には届かなかったらしい。ドリブルで突っ込んだ不動がセンターラインを超えた直後、爆発が起きた。

地面に何度も体を打ち付けて落下する不動は倒れたまま動かなかった。

「必殺タクティクス、地雷原」

コブラたちが不気味に呟いたのが聞こえた。

その不吉な言葉に、みんなが眉を顰め不思議な顔をする。

「地雷？」

「センターラインから我が軍のゴールまで地雷原と化した。1歩でも足を踏み入れれば無事ではすまない」

わざわざ解説してくれたバハートの言葉に怒気が溢れるベンチ。誰もが、“こんなのサッカーではない！” と異議を唱えたい表情だった。

これが、本来のアメリカ代表であるスターユニコーンの選手を陥れた技の正体だった。

不動は担架でフィールドの外へ出され、剛陣が代わりに入る。

「総員、敵を殲滅せよ！」

「「「イエッサー！」」」

その姿は、正しく戦場を駆け回る兵士そのものだった。

試合再開。だが、日本は相手陣地に攻め込むことが出来なくなった。

その隙をついたコブラが再び［カロネード砲］を打つ。

それを円堂が止めるも、地雷を恐れボールを仲間に託すのを躊躇している。完全に日本は防戦に入ってしまった。