無色の詩姫【イナオリ】第五章 (ページ35)

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〇おやすみなさいページ35

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円堂たちからアメリカ代表に起こった悲劇を伝えられ、新たにオリオンに対して立ち向かう理由が増えたイナズマジャパン。

追加補充であるアフロディこと、亜風炉照美が合流してミニゲームが終わる頃に稲森が姿を現した。

彼の姿が見えなくて心配していた人が笑顔になる中、稲森の表情はどこかスッキリしなかった。剛陣の軽口にも全くと言っていいほど反応しなかった。

夕ご飯のため、食堂に集まったはいいものの、依然として詩音の姿は見えないままだった。この時間まで姿を見せないのはさすがにおかしい。

マネージャー陣が、もしかしたら詩音は部屋に帰っているかもと彼女の自室を見に行った。

「詩音ちゃーん？」

「入ってもいいですか？」

中からの返事がないので、2人はそっとドアノブを押して中に入った。電気は着いていない。

今日の午後はどこかに外出するという話をしていたからかジャパンのジャージやユニフォームはハンガーにかけられていた。

「まだ、帰ってきてないんでしょうか……」

「うーん……あ！」

つくしはベッドに倒れ込んだまま寝息を立てる詩音を発見した。どうやら外出後、そのまま部屋で寝てしまったらしい。

お世辞にもいい寝顔と言えるわけではないが、それでも気持ちよさそうな寝息が聞こえるのは変わらないので杏奈とつくしは顔を見合せて笑う。彼女に毛布を被せた。

「「おやすみなさい」」

そう言って2人はそっとドアを閉じた。